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知財のおはなし

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さまざまな知的財産の話題です。海外で事務所をやっているので、外国知財のことも多いです。
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#訴訟

社会の安定性よりも「特許重視」に動いた中国・韓国・台湾、社会の安定性を重視した日本

社会の安定性よりも「特許重視」に動いた中国・韓国・台湾、社会の安定性を重視した日本

いま、東アジアは、プロパテントのラッシュなんですよね。
プロパテントというのは、特許権をはじめとする、知的財産権全般の保護強化を意味します。
つまり、社会の安定性よりも「特許重視」に、行政や司法が手続きを行う政策のことです。

もともとは、アメリカが、レーガン政権の際に採用した考え方です。
レーガン政権の当時のアメリカは、日本からの貿易戦争に負け続けていました。
巨額の貿易赤字を、日本からの輸入か

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そもそも、おかしくないか?【コロナワクチン特許適用除外】

そもそも、おかしくないか?【コロナワクチン特許適用除外】

新型コロナウイルスのワクチンを、途上国が十分に確保できていない中、供給を拡大するためにワクチンの特許権を、一時的に停止すべきかどうか協議されています。
治療薬の特許権の制限は、途上国の間では、かつてから議論になっています。

過去にもあった、治療薬の特許権の制限アフリカなどでは、1990年のエイズ危機から、治療薬の特許権の取り扱いの是正を求めていました。
エイズ治療薬については、効果が高く、副作用

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知財の懲罰賠償って、なに? 知財の世界が、恐ろしいことに!

知財の懲罰賠償って、なに? 知財の世界が、恐ろしいことに!

いま、東アジアのハイテク事業を行っている国々で、知財の懲罰的な賠償金が、一般的になってきました。
具体的には、中国、韓国、台湾で、実際の運用されています。
では、「懲罰」という賠償金の制度って、いったい何でしょうか?

懲罰的な損害の賠償は、日本では認められていませんが、英国法の民事訴訟法では、一般的な概念です。
通常の知財の侵害ではなく、意図的に侵害を行った場合は、最大で数倍まで、実際の損害の賠

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