実績だけで決めてはいけない塾選び
まず最初にお伝えさせて下さい。ここでは、この塾が一番いい、という回答をしていません。一つの明解な答えが出ない(断言できない)のが塾選びなので、ある程度の掛け算で選んでいくことが大事かと。我が家の実体験と、途中見聞した情報をもとに、選び方やお勧めの塾を挙げております。
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娘の受験後、多くの方から「(娘が通っていた塾をさして)どうしてそこに決めたの?」或いは、受験経験者ということで「どこの塾がいいと思う?」と聞かれますが、これは「志望校をどこに定めるか?」「どんなお子さんか?(どんな性格か?)」等で該当する塾は変わってきます。ですので自信を持って「ここがいい」と一つの塾を掲げて断言はできないのが実情です。
塾選びについては、多くのエキスパートが既に雑誌や書籍で説明しているので(本屋に行けば10冊近くはその手の書籍が並んでいます)、細かい話はそこでご確認いただくとして、慶應を始めとした付属校を第一志望に据えるのであれば、SAPIXである必要はないと思います。ここは御三家に照準を合わせた塾なので、もし、併願を御三家に据えている(考えている)場合を除いては、SAPIXを強く勧めることはありません。もちろんSAPIXのアドバンテージも沢山あって、何より関わる人数が多い分(子供も親も)、傾向と対策がどんどんブラッシュアップされます。Twitter上での盛り上がりを見ていても、「(自分の子供が通う塾が)サピなら有効に使えるな」と思う情報が沢山あります。
では、SAPIX以外で他の大手塾でどこがいいか?と聞かれれば、答えは、早稲田系列を志望するなら早稲田アカデミーと即答しますが(SAPIXより早稲田合格の実績はいいです)、慶應に関しては必ずしも早稲田アカデミーでなくてもいいような気がします。前の投稿で述べたように、そもそもの大手塾の在り方を理解していれば(そこで流されなければ)、「家から近い」「体験授業を受けてフィーリングが合った」という大手塾でいいと思います。
大手塾とは?
大手塾各社は、合格実績を掲げて新年度の塾生(小2~)を呼び込みますが、そこで誇示する実績が御三家なのか付属校(SFC含む)なのかを見極めて塾を選ぶことが肝要かと考えます。まぁ、殆どの塾がまずは御三家だと思いますが(当然ですが)。SFCなんて、そもそも枠が少ないので小さく掲載されています。普通部はそれなりの人数を取るので、早慶の中でもでっかく掲載されますが。(もちろん早慶系列ほか付属校も沢山合格者は出ていますが、それらの合格者は御三家や渋谷系と併願しているケースが多いので、第一志望での合格者はそう多くないと思っていいと思います。)
なので御三家を目指すなら、素人の私でも断言できます。SAPIXがいい、と。どの話を聞いても、御三家にいくための対策は盤石です。ただし、そこに食らいつけるなら。でもそうでないなら、或いは慶應始めとした付属校を第一志望にするなら、他の大手塾や個人塾にも目を向けてみる価値はあると思います。
因みに我が娘はSAPIX以外の大手塾の一つに通いました。そこでは小4の頭からトップクラスにずっと在籍していました(でも警告受けては翌回にセーフみたいなことをずっと続けていたのと、トップクラスの中では一番底辺にいたと思います)。
でもそれがちょっとした落とし穴でもありました。6年の中盤まで(他流試合でSAPIX主催の模試を受けるまで)はSAPIXの上位クラス陣と対戦してこなかったので、親も子も「そこそこ上位に位置してるんだ」と勘違いしていました。それで通ってた塾の先生のアドバイスもあり(女子の慶應中等部の併願のトップは女子学院ということで)、1日の受験校をJGにしました(女子の慶應系列は2日以降でバッティングしないので)。
結果から言うと娘はJGから合格はもらえませんでした。不合格。
でも、受験に向けてやってきた勉強はその後の彼女の人生の糧になったことは間違いありませんし、この大手塾のJGクラスで出会った友人とSFCで再会し、大親友として付き合っています。二人にしか分かりえない辛くも楽しかった塾での時間を共有していることは大きな意味を持っていると思います。
慶應SFC生の出身塾と当該塾でのクラス
娘から聞くにSFCの一般(外部生)の多くが大手塾かと言えば、どうやらそうでもないらしいです(個人塾に通っていたお子さんもいるとのこと)。あと、大手(例えばSAPIX)でも御三家狙うトップクラスにいたかといえば必ずしもそうでもないということを聞くにつけ、少なくともSFCにおいては御三家実績だけで塾は選ばなくていいのでは、と思います。
それよりは、「塾との相性」(SAPIXが合ってる子もいます!)や、家からの通いやすさ、そして一番は早慶などの付属校をきちんと対策している塾かどうかを知ることが大事かと思います。
ただ、大手塾はどうしても御三家を主軸として回すので、そこは親が担当の講師を先導して対策を組んでもらう(個別に問題や問題集を提示してもらう等)ことが肝要となります(私はそれを実践していました)。
娘は大手塾で御三家を併願に据えて慶應系列を目指しました。親としては、は無駄が多かったと思いますが(その観点で書き進めております)、娘としては「あの座組(大手塾でJGを併願)でよかったと思う」とも言っているので、最終的には大手塾に通う場合は、親御さんの360度ソリューションとお子さんの塾の相性が合っている二つの条件が揃えばやれないことはないと思います。ただし、タフであることは間違いありません。御三家の問題は次元が違いますので…。
早慶維新塾とは?
もう一つ。娘は通いませんでしたが、距離的にも経済的にも都合がつくなら、お勧めしたい塾があります。小5の後半にこの塾長(野田氏)の書籍に触れて感銘を受けました。
この塾は「早慶維新塾」といいます。まず名前が凄いですね(私は最初、ちょっと引いちゃいました)。でも、HPや塾長の野田さんが書いている書籍を読むとこの塾に魅かれると思いますよ。なんたって、ここは早慶を筆頭に付属校を専門とする塾なのです。現に『御三家はわかりませんが早慶なら必ず合格させます』という書籍がありますが、それを読んで「なるほどね~」と唸りました、私は。
塾費も相当な金額ですが、この塾のメソッドは突き抜けているので、機会があれば塾の説明会も都度行っているので、聞くだけでもとても参考になると思います。それが無理なら、私のように彼の書籍を読むだけでも、いろいろ勉強になること多しです。
というわけで、付属校を第一志望に考えている場合は、塾の選び方もそうですが、大手塾がダメではなく、そこに入ったら親が能動的に付属校の情報を集めて、それに呼応した対策を塾(教科担当)にお願いして対応してもらう等のことは必要だと思っていて下さい。
塾に全部お任せでは受からないのが早慶を始めとした付属校、と思っていいと思います。
では、次回は塾での成績の推移についてお話したいと思います。
【本ブログの読み方のコツ】
このブログは、時系列に書いていこうと思います(年長~中学の順で)。ただ、ブログをお読みいただいている時点で、お子さん(お嬢さん)が小3より上の学年の場合は、入塾後のあたりから読み進んでください。ちょっとしたTIPSを示すことはできますし、個別にお話をお聞きすることも出来ます。
もし、お子さんが小3或いはそれより下の学年の場合は、よろしければ最初からご一読下さい。全く同じケースである必要はないものの、もしお子さんが「何かにハマっている」なら、それを最大限に活用して中学受験に臨まれることをお勧めします。
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