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漁業がある日常にとけこむ

2拠点生活を始めて1か月以上がたった。
徐々に浜に出ていきながら、テレワークをするサイクルができてきた気がする。
「自分の日常に漁業を取り入れる」ことを思い描いて始まった生活だけれど、「漁業がある日常に自分がとけこんでいく」というのがしっくりくるかも。

より生きやすい、働きやすい姿を目指して試行錯誤中。

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はじめの2週間ぐらいは父にくっついて港で水揚げを手伝ったり(ほぼ何も手伝えていない(笑))、漁船まわりのあれこれを一緒にやったりとしてみた。
34年漁師の娘をやっていて、この度、船の油を入れる瞬間を始めてみた(笑)。

新品のカッパとピンク色の長靴をまとって市場でうろうろしていると、いろんな人が声をかけてくれる。「なんだ~出戻りか?」「帰ってきてんの?」「いづまでいんだ~」なんてからかいながら、皆なんとなく受け入れてくれている。(と、私は感じている。)
子どもの頃からくっついてきて遊んでた漁港だから、私自身も居心地は良い。

以前のように、シラスのかごを何十個もあげてたくさん稼ぐ漁業ではないけれど、父はほとんど毎日海に出て、刺し網や釣りで魚を獲ってくる。
小舟の人たちは活魚で揚げることが多く、本当にたくさんの種類の魚が市場に並んでいる。
「これは何ですか?」とそこにいる誰かに聞けば、すぐに教えてもらえるし、「これはおいしいの?高く売れる?」という疑問にも親切に丁寧に教えてくれる。
どのあたりにかごを並べると値段がつきやすいとか、同じヒラメでもどんな形や大きさのものが値が付くのかとか、毎日見ていると気づくことが必ずある。

昔から大好きなのが、魚がお金に代わる瞬間。
買人さんたちが市場に並ぶ魚をよーく見て、札を入れて、買われた魚がどこかに旅立っていく。
入札の様子も、これまでいろんな地域で見てきたそれとは違っていてこれまた新鮮。

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父は、年齢や体力、家族の状況、もちろん海の状況に合わせて操業の仕方を変えてきている。原発事故の影響でいろいろと制限があることも一つの要因だろう。
地域全体でも、操業体制や漁業種類、魚種など、どんどん変化していることをたくさん発見できる。
社会と自然の環境が移り変わると、こんなふうになるのか。統計では見えてこない行動変容がある。
逆に環境が変わったとて、全然変わらないこともあったり。
「続けるため」に、「変わること」・「守ること」を厭わない。

沿岸漁業の可能性はここにあるのだろうな、と思う。

いろんなところで右肩上がりのグラフを目指しがちだけど、
それは本気で考えた未来なのだろうか。
その先に餓えのない満ち足りた社会を想像できる?

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近々船底清掃をするそうです。造船所に予約を入れて、船を陸にあげて、人力で船底を洗う。

全漁連で燃油対策をやっている時、書面上では「船底清掃をすると燃費が良くなって省エネになる」と書いてあるのを見たけど、それを実感するチャンス。

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