秋の呟き
涼しくなってきた。
夕暮れの散歩が好き。
虫の声に長良川の音
鷺が鳴きながら飛んでいく。
あっちには鵜が群れをなして飛んでいる。
もうそろそろ住処に帰るのかな。
田んぼの畦が綺麗になっている。
昼間に草刈りしたのかな。
草刈りの後の草の匂いも好き。
雨の匂い、雨の音が遠くで感じられる。
あぁ、田んぼをかいたのか。土の香りがいつもより強いな。
あ、ここは犬の散歩コースなんだ。
ん?ここは少し獣くさい。猿かな。
少し歩くとどこからか金木犀の香りがする。
人工香料には出せない、本物のなんとも切ない香りだ。
私には金木犀の思い出は特にないのだけれど、
毎年この時期が来ると少し胸がキュッとなる。
香り・音に敏感な私の脳と体には
香りや音楽で思い出が刻まれていく。
言葉を綴ろう、想いを伝えよう。
秋分を過ぎて、在りたい私が見えてきた。
母業に、お菓子屋に、地域団体のことや他のこと
色々色々あるけれど
それも自分が選んでいること。
短い秋をギュッと抱きしめながら
日々を過ごしていこう。