あまくかたい

空腹を忘れてしまった

あの夏の夜から

私とあなたの関係の間にある
埋めるように食べ続けている

断食を始めてみても続かない

過去にある空腹

期待に満ちた味の喜びも
あの赤いりんごの食感も
忘れてしまった

あるのはただの物質

これから先も続く生命の連続を
満たし続ける甘く硬い物質

#詩