上京物語
過干渉な田舎から都会の街並みに降り立った18歳春
田舎が窮屈だなあと思っていたので、都会の喧騒がわたしにとっては心地がよかった。
まさに、自分が思い描いていたように自由だった。平穏じゃなくて、帰り道も真っ暗じゃなくてキラキラを感じて、とにかく心が躍っていたきがする。
出てきたての頃の毎日は、もっと知らない街を知りたい、みんなみたいに澄ました顔して歩きたいと田舎から出て来たばっかりで生き急いでいた。
しかし生きることに荒っぽくなるのは全然よくなくて、すぐに悪い結果として現れた。東京はいろんな人がいるから、自分なりに頑張ってみたが故、生きづらくなった。遅れたくなかったはずなのに何も楽しくはなかった。
息巻いてみたけど空回りしている自分を俯瞰でみて、そんな自分は1番なりたくなかったようにはしゃいでいて、気持ち悪!って思って、どんどんネガティブになった。
気付けば家族も近くにいて、車で移動して旅行していたりする地元の友達の方が圧倒的に楽しそう.… 完全に何周か遅れをとった感じがした
絶望満載だったじぶんも、このギリギリな状況を打破したいなとは思っていて、色々試しはじめた。ギターとか漫画死ぬほど読むとか、ゲームするとかいろんな人の話聞くとか月並みなことですが…おかげで1人で居心地良く過ごせる術をたくさん手に入れた(これがなんだかんだ東京に来て1番の産物かも)
今まで知らなかったいろんな価値観に触れて焦ってしまう時もあったけど、なんだかんだで都会は自分にたくさんの経験値を与えてくれた。働き始めてから特にグッと東京の居心地が良くなった気がする。
上京して数年、新しくて面白い出会いは沢山あって、都会じゃないと出会えない人や場所もいっぱい知れた。
地元にいたら、こんなに経験値つめなかったかもしれないなとさえ思える。だからこれでよかったんだなあ
後悔してたけど。
東京きて、わたしほんとよかったんだよ
ビビりだけど、1人で色々やってこれたよ!
1人で、何かに縋らないで生きていく術とは大事なものを手に入れたような気がするんだよ
人間関係は、時には頼ったり、協力したりすることも大事だけど、それは安心や安寧を手に入れられるからって、他人のそれにオーバーに頼ると、他人のそれがなくなった時に寄りかかれる所はないから、感情に負荷がかかりやすいし、そのちょうど良いところを生きていく術みたいなものを東京で得た気がする。
これからももがきながら生きていけば、わたしらしいのかもしれない。障壁があるたびに、だんだんと自立した自分になれている気がじわじわとしている。