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自分の人生を、生きている気がしない
「自分の人生なのに、自分の人生を生きている気がしない」
ふと、このような感覚におそわれることがあります。自分がいま生きているこの人生は、もちろんリハーサルではなく、本番です。そして人生は一度きり。やり直しなどできません。にも関わらず、心の底から「自分の人生を生きている」という実感が湧かない。
その理由が分からなくて、モヤモヤしながら日々を過ごしていたのですが、もしかすると原因がわかったかもしれません。
前回の記事にも書いたように、今まで私は、悩んでいるときや、壁にぶつかったとき、すぐに答えを「本」に求めていました。そこに問題があると思うのです。
なにか資格を取得するために参考書を買ったり、好きな推理小説を読むだけなら特に問題はないでしょう。仕事のスキルアップのためにエクセルやワードの本を読んだり、書類整理術やマネジメントの本を読むのも、ありでしょう。
しかし、私の場合はもっと広い範囲で、答えを本に頼ってきました。
例えば、「本当にやりたいこと」が分からなくなったときには、「やりたいことの見つけ方」という類の本を買って読みました。
自分には何が向いているのか分からなくなったときには、「才能の見つけ方」とか「自分らしく生きる方法」といった類の本を読みあさります。しかもそのような本を探すときですら、わざわざネットで「おすすめ本」を探して、レビューなどを見てから、ハズレをひかないように無難なものを選ぶのです。
あげくの果てには、自分の頭で考える必要があると悩んだときですら、「自分の頭で考える方法」といった類の本を買ってしまうのです。もうその時点で考えることを放棄していますよね。
要は、自分の人生における悩みごとや、問題について、自分の頭で考え正面から立ち向かわずに、その答えを他人の思考や、他人が書いた本の中に、答えを求めすぎていたのです。
本を読んでいるときは「なるほど」と納得し、読み終わったときには、解決の糸口やヒントを見出して、満足しています。
しかし、それはやはりどこまでいっても「他人の意見」を鵜呑みにしているにすぎません。結果的には、今の私のように「どこか、自分の人生を生きている気がしない」という、妙な感覚になってしまうのだと思います。
では、どうすれば良いのでしょう。
どうすれば、今まさに生きているこの人生を、たった一度しかない大切な人生を、いきいきと、自分らしく、信念を持って、地に足をつけて生きていくことができるのでしょうか。
その答えは、すぐには出ません。しかし、少なくとも本屋さんでパッと目についた「それっぽいタイトル」の本を読んでも、その答えは見つからないと思います。
いまこの記事を書いているように、自分の頭の中から、自然に湧き出てくる言葉を記録して、そしてその言葉をよく噛みしめ、自分の頭の中を整理し、「自分と向き合う時間」を意図的に作っていくことが必要なのでしょう。
結局は、答えは自分の中にしかないのですから。
もちろん本を読むことが一切ダメだとは思っていませんが、今までのような「ありきたり」の本を読むのはやめます。キャッチーなタイトルに引き寄せられるのではなく、何百年・何千年も前の人が書いて、今でも良書として生き残っている「本物」の良書だけを、厳選して買う。
そして読むときは、読み流して「読んだ自分に自己満足」するのではなく、じっくりと時間をかけて、反復して読み、自分の頭で噛み砕きながら、自分の言葉に置き換えて、自分の腹に落ちるまで、読み尽くす。書いていることを鵜呑みにせずに、自分の意見と突き合わせて、思考の質を上げていく。
そんな風に「読書に対する向き合い方」を変えていけば、もしかすると、自分という人間に対する見方や、人生に対する向きあい方が、変化するかもしれません。もちろん、本など読まずに、こうやって自分の頭だけで考える習慣もつけていくことが必要です。
たった一度の人生、他人の考えをコピペするのではなく、自分で考えたことや、自分の中から湧き出てくる「直感」を信じて、生きていきたいですね。
そんなことを考えた、朝でした。