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「オカンが前観た今敏監督作品がどれか思い出せんらしいねん」

「オカンが前観た今敏監督作品がどれか思い出せんらしいねん」

「ほな俺が一緒に考えてあげるからどんな特徴言ってたか教えて」


「オカンが言うにはな、主人公は孤児らしいねん」

「ほな『東京ゴッドファーザーズ』やないか、あれは三人の家出人がクリスマスの夜に赤ん坊を拾うことから始まるんやから。こんなんすぐわかるわ。」

「俺もそう思ったんやけどな、どっちかというとシリアスだったらしいねん」

「あーほな東京ゴッドファーザーズとちゃうかー、あの映画は今敏作品には珍しくハートフルコメディやったんやから。初見さんにはまず最初に紹介する映画やわ。ほかになんか言ってた?」


「オカンが言うにはな、海外でも大人気で名シーンがハリウッド映画でもバシバシオマージュされてる名作らしいわ」

「ほな『パプリカ』やないか、クリストファーノーランの『インセプション』をはじめ、あの映画の設定や映像に影響を受けた映画は星の数ほどあるんやから。こんなんすぐわかるわ。」

「俺もそう思ったんやけどな、主題歌はアジアンエスニックぽかったらしいねん」

「あーほなパプリカとちゃうかー、パプリカの主題歌はテクノの帝王こと平沢進作曲の『白狐野の娘』で、ヤバめな映像と相まって見るマリファナって呼ばれてるんやから。俺も何べんトリップしたか分からんわ。ほかになんか言ってた?」


「オカンが言うにはな、主人公が宇宙に行く描写があるらしいわ」

「ほな『千年女優』やないか、主人公の伝説の大女優、藤原千代子は回想シーンで何度か月へ降り立つし、オチの重要なシーンでもロケットに乗ってるんやからこんなんすぐわかるわ。」

「俺もそう思ったんやけどな、過激な戦闘シーンが印象的だったらしいねん」

「あーほな千年女優とちゃうかー、千年女優は他と比べると演出が控えめで内容もほぼファミリーヒストリーなんやから。パプリカみたいな過激なアクションを期待してるとちょっと残念するかもしれん。ほかになんか言ってた?」


「オカンが言うにはな、グロ描写多くて結構人が死ぬらしいわ」

「ほな『パーフェクトブルー』やないか、今敏監督作品の中でも随一のサイコホラーで国によってはR-18指定もされてるんやから。『セブン』や『羊たちの沈黙』などハリウッドサイコホラーを参考にしたらしいで。こんなんすぐわかるわ。」

「俺もそう思ったんやけどな、主人公男らしいんねん」

「あーほなパーフェクトブルーとちゃうかー、主人公の美麻ちゃんは元アイドルの絶世の美少女なんやから。今敏映画は主役がみんな美人よな。ほかになんか言ってた?」


「オカンが言うにはな、意外と短くて、熱中してみてたら気が付いたら終わってたらしいわ」

「ほな『オハヨウ』やないか、今敏の新作だと聞いて楽しみに見てたら本編56秒しかないんやから。あのモルカーより短いねんで。こんなんすぐわかるわ。」

「俺もそう思ったんやけどな、円盤に加えて原作マンガも大人気らしいねん」

「あーほなオハヨウとちゃうかー、オハヨウはNHKのテレビアニメ企画『アニ*クリ15』の企画の一つで、完全書下ろし作品なんやから。知名度は低いし短いけど今敏の良さがギュッと詰まってる名作やで。ほかになんか言ってた?」


「オカンが言うにはな、舞台の街の治安がクソ悪くて、バットでの通り魔が日常茶飯事らしいわ」

「ほなwowowのテレビアニメシリーズ『妄想代理人』やないか、各話でとりあえず誰か一回は金属バットで殴られるぐらい治安オワってるんやから。俺も最初はゴッサムタウンかと思ったわ。こんなんすぐわかるわ。」

「俺もそう思ったんやけどな、時代設定が近未来らしいねん」

「あーほな妄想代理人とちゃうかー、妄想代理人はガラケーや激遅インターネット、2ちゃん掲示板や引き籠りまで、放送当時00年代のサブカルや流行を余すことなく描写してるんやから。あんなん見る現代文化史やわ。ほかになんか言ってた?」


「んでオトンが言うにはな」
「オトン?」
「それAKIRAちゃうかって」
「それ監督大友克洋やないか!!!!!」

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