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『短歌の友人』を読み返す午後

今日は久しぶりに、穂村弘の『短歌の友人』を読み返していた。以前読んだのは、まだ歌人を名乗る前のことだったと思う。

今読み返していると、この一年で名前を知ったり歌集を買って読んだりした歌人の名前やその短歌に気づく。「ああ、そうか、私が読んできた短歌を穂村弘はこう位置付けたり解釈したりしていたのか」と思いながら読む。

そして一方で、この本で書かれている短歌の「現在」が、あくまでこの本が出版された2007年時点での「現在」であることに気づかされる。

東日本大震災もコロナ禍もまだ起きていない、大森静佳の『てのひらを燃やす』も永井祐の『日本の中でたのしく暮らす』も出版されていない2007年時点ので「現在」だ。

そういったことを踏まえても、それでもやはり何度読んでも勉強になる短歌評論だと思う。

短歌初心者の私は、まだまだ「短歌について」のことよりも「短歌」のことを考えるべきなのはわかっている。でも、やはり、今日読んでよかったな、と思っている。

余談だが、私はこの『短歌の友人』の巻末の、高橋源一郎による解説を読むたびに、少しだけ目頭が熱くなってしまったりするのだ。

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