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初句七音について少し調べてみる
短歌の定型は五七五七七。しかし、現代短歌を読んでいると、この定型に当てはまらない短歌をしばしば見かける。
その中でも特に目にするのが「初句七音」。塚本邦雄や永井祐の短歌を読んでいると、もはや「初句七音」つまり七七五七七もまた「定型」なのでは、とさえ思えてくる。
とはいえ、どうやら「よい初句七音」と「よくない初句七音」はありそうに思える。なによりまだ自分にはこれをうまく乗りこなせる手応えはない。
そんなわけで、ふとTwitterで「初句七音」で検索をかけてみたら、ベテランの歌人・奥村晃作のツイートでこんなものをまず見かけた。
★二階の書斎での仕事を終え、下の部屋に移る。
— 奥村晃作 (@okumura80kousak) September 6, 2021
★短歌とは何か。わたしは以下の如くに考える。
五七五七七基本の五句詩形 ズバリ短歌は黄金詩形
◆内容が形を決める。現代短歌では各句の字数が増える傾向にある。字足らずは稀である。
各句の特徴を以下に述べる。
初句➡六音有り。それ以上に七有り。八以上はまず無い
— 奥村晃作 (@okumura80kousak) September 6, 2021
二句➡八音有り。四四の八音はリズムが弾み、軽くなるので推敲の要あり
三句➡要の句であり、守られるべき。だが、六音、結構ある
四句➡キャパシティーの大きな句であり、時に倍の一四音も(迄は)有り
結句➡八音結構あり。下の句八八、結構有り
初句に限らずの「字余り」に対する所見。もちろん、奥村晃作の所見であり、他にも様々な見解があるだろう。ただ、とても参考になる。
さらに、「まいつき短歌祭」主催者の歌人・武田ひかのnoteの記事は、「初句七音」についてさらに詳細に書いてある。駆け出しの歌人には勉強になるし、わかりやすい。
「三句は定型を守った方がいい」という話は、前述の奥村晃作の所見と一致してますね。
そんなわけで、妥協の産物ではない、ちゃんと狙いを持って作られた「初句七音」の短歌を、近いうちに詠んでみようと思う。作詠の幅を広げていきたい。
あ、一方で、こんな意見も結構見かけた。これもまた短歌を楽しむときに覚えておくべき一面。
これがなー、「現代短歌」が苦手なところ(初句七音)。
— シダ(不愉快なお前の隣人) (@s_i_d_a) March 21, 2021