別れの日は晴れた日がいいだろう 5
なんみょーほーれんげーきょー
…眠い。
お経って、なんて長いんだろう。というか、何語? なんて言っているのか全然訳がわからない。
部屋にたちこめる、お線香の香り。
響きわたる木魚の音。
じじいは立派な戒名をもらっていた。意味わからないけど。
何度も復唱するお経。すすり泣く人の声。
「黙祷をお願い致します。」
と、和尚さんに言われて、下を向いて、目を閉じた。途中で頭を上げてみた。
おばあちゃんはじじいが死んだ直後は泣いていたけれど、もう泣いていなかった。じじいの妻として毅然とし