珠嬉

こんにちは!たまきです。 お話書いたり絵を描いたりしています。歌うことも好きです。 愉しいことが好きです。よろしくお願いします。 ※副業勧誘いらないです。あやしい人は即ブロックします。

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マガジン

  • 別れの日は晴れたほうがいいだろう

  • 春風

  • 1998年6月13日

    1998年。6年生の時の出来事。

  • 風凪いで

    とある家族のお話です。

最近の記事

別れの日は晴れた日がいいだろう 5

なんみょーほーれんげーきょー …眠い。 お経って、なんて長いんだろう。というか、何語? なんて言っているのか全然訳がわからない。 部屋にたちこめる、お線香の香り。 響きわたる木魚の音。 じじいは立派な戒名をもらっていた。意味わからないけど。 何度も復唱するお経。すすり泣く人の声。 「黙祷をお願い致します。」 と、和尚さんに言われて、下を向いて、目を閉じた。途中で頭を上げてみた。 おばあちゃんはじじいが死んだ直後は泣いていたけれど、もう泣いていなかった。じじいの妻として毅然とし

    • 別れの日は晴れた日がいいだろう 4

      「嬉子さん。」 「あら、俊春さん。中学の帰り?」 「嬉子さんこそ、高女の帰りでしょう?」 「ええ、俊春さんは剣道部でしょう。その帰り?」 「そう、本当は文芸部に入りたかったんですけどねえ。このご時世、男たるもの文学なんてけしからん。おまけにちょいと尖ったことでも書けば、お上にたてつく思想犯になりかねませんからね、とっくになくなってしまいましたよ。文芸部なんて。文武両道が我が中学の謳い文句だったはずなんですけどね。だいたい、剣道部の活動だって、今じゃ芋掘りなどの畑仕事だし。」

      • 別れの日は晴れた日がいいだろう 3

        一階に降りると、お母さんがくたびれた顔で、ダイニングテーブルの椅子に座っていた。 「お疲れー。」 「お疲れー、じゃねえよ。いつまで休んでんだよ。夜の9時だよ、今。」 明が怒って言った。 「やっと皆さん、お帰りになったわ。あんたもお寿司いただいちゃいなさい。」 お母さんに言われて、残り物の滅多に頼まない特上寿司を食べた。ウニ! 寿司が食べれたことだけは、じじいに感謝だな。 「…今さ、姉ちゃんが考えてることが手にとるように解るよ?」 明に、じろり、とにらまれた。

        • 別れの日は晴れた日がいいだろう 2

          そんなじじいにも、知り合いというものはいたんだな。七十七年という人生の間に。 ぞろぞろと告別式にやってくる、参列者の人達。 「まあ、田中さんにこんな大きいお孫さんいたの。」 あら、良かったわねぇ、と口々に言う、じじいの学生時代の級友のおばあさん達。 「何がいいんだろうね。」 明がぼそっ、と言った。 「さあね。」 お年寄りの言うことなんて、四捨五入して、二十代のあたし達になんてわかるわけないじゃない、と思ったけれど、口に出すのも馬鹿馬鹿しい気がして、何も言わなかった。 着なれな

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        • 別れの日は晴れたほうがいいだろう
          6本
        • 春風
          3本
        • 5本
        • 1998年6月13日
          1本
        • 風凪いで
          28本
        • 音の面影、最後の想い出
          7本

        記事

          別れの日は晴れた日がいいだろう 1

          斎場にて数珠を手に拝む。 あの人は大きく引きのばされた写真の中微笑んでいる。 -この話はあたしが十五年前に知ったこの女性の話。 じじいが死んだ。 死因は、餅をのどに詰まらせて。 あっけない死に様だった。 気付いたら、こたつに入ったまま、寝ている状態で死んでいた。そのまま救急車で運ばれていったけれど、搬送先の病院で医者に、 「ご臨終です。」 と、言われた。 あたし達家族―じじいの長男であるお父さん、そして、お母さん、弟の明、あたしは黙ってその場に立ちつくしていたけれど、じじい

          別れの日は晴れた日がいいだろう 1

          別れの日は晴れた日がいいだろう 登場人物

          あたし…じじい(田中俊春)の孫娘で明の姉 田中明(たなかあきら)…じじいの孫であたしの弟。 田中俊春(たなかとしはる)…じじい。あたしと明、美紀の祖父。 田中美紀(たなかみき)…じじいの外孫。あたしと明の従姉妹で正春叔父の娘。 田中俊之(たなかとしゆき)…あたしと明の父。俊春(じじい)の長男。 田中正春(たなかまさはる)…あたしと明の叔父。美紀の父。俊春の次男。 吉村嬉子(よしむらよしこ)…旧姓、山澤。勝の叔母で助の姉。小説家の吉村孝二郎の妻。 山澤勝(やまさわ

          別れの日は晴れた日がいいだろう 登場人物

          春風 その後

          さてさて。 さくらの女の子と風のぼうやが出会って二年が経ちました。 さくらの女の子と風のぼうやは今ではすっかり仲良しです。 このたび風のぼうやとデートをすることになったさくらの女の子はおめかししようとお化粧に夢中になっていました。 太陽の光のファンデーションを塗って、こいピンク色のチークまでして… さくらの女の子は楽しくて嬉しくてしかたがありません。 一方、風のぼうやのほうは、というと、 「ちょっと。ぼうやー、今日、さくらの大奥さまのお孫さんとデートじゃないのー?」 風のぼう

          春風 その後

          ちいさいとき。

          三歳のとき。 保育園に入った。大人になってからきいたが、日当たりがいい園を探した結果、そこになったらしい。一緒に入園したのはYちゃん。女子六人、男子六人の小さなクラス。その頃から友達やってる子はRくん。すんごい長い縁だ… 初恋は同じクラスだったYくん。「たまご、たまご~」とからかってくるこだった… が。しかし、それから1ヶ月後、父が盛岡に転勤になり、一緒に行くことに。 引っ越し先では幼稚園に入った。が、あまり、いい記憶がない。。魔法使いごっこをしていて、すごく長い呪文を思

          ちいさいとき。

          原宿の夜、表参道に朝(hopital brightening)

          いつか 友達と 歩いた 原宿の        夜。             昼間の             喧騒が             嘘みたいに             静かで                                      あの娘                               元気に                               やってるといいな                               今はそれ

          原宿の夜、表参道に朝(hopital brightening)

          表通り裏通り#43

          こんにちは 最近好きな人ができた。 周りを見れば仲の良い友達たちにもそれぞれだんなさんや、婚約者さん(彼氏さん)やら、いて。 実は今私は入院しちゃってて、両親には彼氏さんというと、「一緒に入院してる人か?」とか言われたり。ちがうよ。 昨年の春から7年ぶりに一人暮らしを始めたけど、入院ばっかりしていて家に居着いてない状態が続いている。 思えば7年前、別の場所でしていた一人暮らしの時は友達は何人も遊びに来てくれたし同じ職場の人まで来てくれたが、今回の一人暮らしでは男友達が

          表通り裏通り#43

          表通り裏通り#42 自分に100の質問

          ※現在(2022年4月12日時点)入院していることを念頭においてください。 1・名前  たかはし たまみ 2・名前の由来  最初は珠水(たまみ)になる予定でしたが、母に反対されて珠実に。真珠の珠のように美しく(心が)実るように、珠実。父がつけました。 3・ヘアスタイル  今伸ばしてる途中です。もうすぐ整えるていどに切る予定。 4・視力  把握してないけどよくないです。 5・今の服装  半袖 6・利き手  右手 7・足速い?  そうらしいですね。 8・ペット  

          表通り裏通り#42 自分に100の質問

          表通り裏通り#41

          お久しぶりです。 年の瀬になり、一人暮らしのアパートから、猫の夏と実家に帰省しています。 昨日初めて川越の成田山の蚤の市に行ってきました。 かわいいブローチ見つけた💕 今年はどこにも旅行に行かなかったな、、来年はどこか行きたいな。 あと、体重が増えちゃって。。困っています。勝手に精神科の薬のせいにしてるけど。。 でも今年は猫の夏と暮らしを始めて良かった。 このこにいつも助けられてます。 ここからごはんを作る私をいつも見ています(笑) 夏と暮らしていてすごく楽しい

          表通り裏通り#41

          表通り裏通り#40

          只今わたくし入院してしまっています。先日やっと一ヶ月経ったところ。 入院と考えると少し辛いので、私は旅に出ているんだ、と考えてすごしているけれど、旅と違うのは、旅の終わりを自分で決められないこと。自分が思い立った時に家に帰れないこと。 そのことが一番辛い。 そして、悪いところを治さないと家に帰れないというミッション付き。 わあ、大変だわ。 そして、私はよく考える。私、この先ちゃんと生きていけるのかな、とかどうしようもないこと。幸せになれるのかな。とか。 病院にしては

          表通り裏通り#40

          ポストカードこちらにて販売しています

          ・くるみの木(埼玉県川越市) 西武新宿線本川越駅から徒歩6分、東武東上線川越市駅から徒歩16分、JR線、東武東上線川越駅東口から徒歩19分 ・北町食堂ひなたぼっこ(東京都練馬区) 東武東上線東武練馬駅西口から徒歩5分(※食堂のため、お電話でのお問い合わせはご遠慮ください。) ※くるみの木では小さい子向けのブレスレット(50円~)も販売しています。そちらもあわせてよろしくお願いします※

          ポストカードこちらにて販売しています

          表通り裏通り#39

          ふ、と思い出した思い出。 小学一年生の時の遠足のはなし。 行き先は忘れてしまったけれど、たぶん埼玉県内の川だったと思う。 その頃、私は都内のはずれの団地に住んでいてそのとなりの小学校に通っていました。 遠足でみた川の中の小石がきらきら光っていたので、きれい!と思った私は小石をいくつか持ってかえって家族に見せよう!と思いました。 家に帰って妹に見せようと取り出した乾いてしまったその小石は、、あれ?きらきらしてない! あ、そうか! 私は洗面所にお水を貯めてそこに小石

          表通り裏通り#39

          表通り裏通り#38

          こんばんは(こんにちは)。 今日、今年初めての真夏日だったそうです。暑いですね。 私はまだクーラーを点けたくなくて、猫の夏にも、濡れタオルをかぶせています。 すまんな、夏。。 近所にスーパーがオープンしました。 私が住んでいるあたりはスーパーが10件以上あって、買い物に不自由しません。 そこにさらに安くて品揃えがよく、かつ、うちからいちばんちかいところにできたので、わぁ、嬉しい😃🎶 今日はサイコロステーキのお肉を300円台で買えたのでお昼にちょこっと食べてみたら、 おい

          表通り裏通り#38