【SHOGUN 将軍】コスプレ学芸会の日本ドラマ・映画へのアンチテーゼ
真田広之プロデュース・主演の時代劇ドラマ『Shōgun』(邦題『SHOGUN 将軍』)が今年(2024年)2月に配信されると、その26日にはAlison Hermanによるレビューが『Variety』誌に掲載され世界を駆け巡りました。
そのレビューのタイトルは「FX Miniseries ‘Shōgun’ Is the Most Transportive TV Epic Since ‘Game of Thrones’: TV Review」。あのシリーズトータルでエミー賞史上最多となる全59冠に輝き、TVドラマの歴史を変えたと言われるドラマ史上の最高傑作『Game of Thrones』以来最も感動的なTVドラマ大作だと評したからです(但し、GoTは原作が途切れた後、特に最終章で駄作に落ちてしまいましたが)。
その後、評論家だけでなく一般大衆にも大ヒット。当初はエミー賞「Outstanding Limited Or Anthology Series」(リミテッドまたはアンソロジーシリーズ)部門にエントリー予定でしたが、シーズン2の製作を決定し、エミー賞への申請も「Outstanding Limited Or Anthology Series」(ドラマシリーズ)部門へと変更されました。
最終的にドラマシリーズ部門はじめエミー賞40部門に申請。『Game of Thrones』の同一年最多32部門ノミネート記録に迫れるかが注目されましたが、今回「The 76th Emmy Awards」では25部門でのノミネートとなりました。
ドラマシリーズ部門へのノミネートは非英語圏作品として韓国ドラマ『イカゲーム』に次ぐ快挙。1980年オリジナル版はリミテッドまたはアンソロジーシリーズ部門での最優秀作品賞受賞でしたので、今回はドラマシリーズ部門で最優秀作品賞を手にしようとしています。
9月7日と8日に発表された「クリエイティブ・アーツ・エミー賞」(Creative Arts Emmy Awards)では史上最多14部門を受賞し、ノミネートされていた日本人7人全員が受賞するという快挙を達成しました。
「The 76th Emmy Awards」では各誌とも『SHOGUN 将軍』をエミー賞ドラマシリーズ部門最優秀作品賞最有力と見ていますが、果たして結果はどうなるのか。明日(現地時間9月15日)の結果を待ちたいと思います。
さて、本稿の本題とするところは『SHOGUN 将軍』がNHK大河ドラマや日本の実写映画などコスプレ学芸会に終始するクオリティーレベルの低い日本の実写映画・ドラマ作品へのアンチテーゼとなっていることです。
エミー賞の結果を踏まえて本題に入りたいと思います。『SHOGUN 将軍』の受賞を期待しつつ本稿の執筆はここで一旦中断いたします。
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