【アニメ映画化】『SLAM DUNK』原作者とアニメの和解で続編に可能性
井上雄彦さんの漫画『SLAM DUNK』(スラムダンク)を原作とした2022年秋公開予定の新作アニメーション映画(タイトル未定)のティザー動画が(2021年8月13日に)公開されました。何と監督・脚本を原作者自ら手掛けるというからビッグニュースです。
漫画(マンガ)原作者によるアニメ映画化は、宮崎駿さんの『風の谷のナウシカ』や大友克洋さんの『AKIRA』など特別珍しい訳ではありませんが、今回の驚きでありかつ大事件なのは、井上雄彦さんが『SLAM DUNK』のアニメ化に携わるということです。何故なら井上雄彦さんが『SLAM DUNK』の連載を途中でやめた原因と理由に関係するからです。
尚、内容の性質上、本稿は便宜的にあくまで「夏の自由研究」ということにしておきます。
なぜ『SLAM DUNK』は途中で終了したのか?
漫画『SLAM DUNK』が連載を途中で終了することになったのは、アニメやゲームなどの版権トラブルというより、もともとTVアニメシリーズ化に乗気でなかった原作者がアニメの出来に堪え難い不満を抱き、編集部と対立していたからです(と推測)。その結果として、原作者は『SLAM DUNK』の連載を途中で引き上げました(と推測)。その後、井上雄彦さんは活動の場を一旦ウェブコミックに移し、以降も『週刊少年ジャンプ』では連載していません。
未完成であるが故の完全性
途中で連載が終わったからこそ漫画『SLAM DUNK』はより一層伝説となったという指摘も尤もだと思います。ブルックナーの交響曲第9番が交響曲の最高傑作と称されるのも「未完成であるが故の完全性」があるからです。ですが、同じ盛り上がりの最中での終了であったとしてももう少し違った形で連載を終えてほしかったと感じるのは私だけなのでしょうか。
アニメへの不信感
「Sports-i ESPN」で掲載されたウェブコミック『BUZZER BEATER』がアニメ化されるまで時間がかなり空いたこと、原作者がWOWOW版・日本テレビ版アニメで監修や監督、脚本として制作に参加したのは、アニメに対する不信感によるものだと見ています。
原作者とアニメの和解
アニメ化によって原作者とトラブルになることは間々あることですが、その後の和解は非常に困難です。今回の新作アニメ映画化でも原作者自ら監督・脚本に入っているので、原作者のアニメに対する不信感が払拭された訳ではないと思われます。
しかし、それでも遺恨となった『SLAM DUNK』の新たなアニメ映画化を許可するに至ったということは、時間あるいは何かが原作者とアニメを和解に近付けてくれたということになります。まずは、時間あるいは何かに感謝です。
原作者が手掛けるアニメ映画化に期待
原作が名作でもこれまでの『SLAM DUNK』のTVアニメシリーズとその劇場版のように出来の悪いアニメもあれば、原作者がアニメ制作に参加したことでダメになったと言われるアニメが存在することも事実です。
それでも漫画『SLAM DUNK』を原作として原作者自らが監督・脚本を務める今回の新作アニメ映画には期待せずにいられないという向きが多いでしょうし、実際に原作者も観客も満足のいく作品になることを信じて待ちたいと思います。
僅かに芽生えた続編の可能性
そして何より、原作者とアニメの和解が近付くことで、これまで皆無と思われた原作続編の可能性に僅かな光明が差すことは一大事なのです。
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