衛星画像で見る世界の遺跡 ー メロエ/スーダン ー
ESA(欧州宇宙機関)が運用している陸域観測衛星Sentinel-1とSentinel-2の観測画像を使って世界の遺跡を見てみます。衛星画像はGoogle Earth Engineから取得しています
アフリカのスーダンにあるピラミッドを含む都市遺跡です。
Google Mapでみるとピラミッドがあるのが分かります。一方、Sentinel-1及びSentinel-2の画像で見ると下図のようになります。左がSentin el-2観測によるTrueColor画像、右はSentinel-1観測jによる後方散乱係強度のSAR画像でVV偏波を赤色、VH偏波を緑色に割り当てています。各画像の中央付近にGoogle Mapで見たようなピラミッドなどの建造物があります。左のTrueColor画像上では遺跡はやや弧状に並んでいることが分かります。右の後方散乱係数の画像では並びは良く見えませんが、建造物がある部分が明るい黄色または赤色のピクセルがありますので、SARの電波が建造物により強く反射されたのだろうと考えられます。ちなみに、TrueColor画像で遺跡の東から南東方向に岩っぽいものがあり、SAR画像でも強度が高いピクセルがありますが、これは単に岩のようです。
下の図は遺跡を中心にもっと範囲を拡げた衛星画像です。遺跡はこういうところに立地してるんですね。上の図でSentinelの画像における遺跡の見え方を確認しましたので、これを応用してこの範囲に未知の遺跡がないかななどと考えて見ました。
そう考えながら画像をまんべんなく調べたら2つの気になる場所を見つけました。そのうちの1つが下の画像です。左のSAR画像の中央付近におよそ南北方向に2本の赤い線が走っています。赤いピクセルが示すものは、VH偏波は観測されたけどVV偏波は観測されていないのだろうと考えると、構造物により電波が多重散乱されたのではないだろうか、と考えました。そこで構造物があるかどうかを右のTrueColorで確かめてみました。西北西ー東南東方向に長い台形状の形が見えます。これが何なのか画像では分かりませんが、未発見の遺跡なら嬉しいけど、たぶんこの辺の人なら知ってる人工的な地形なんでしょう。
もう1つの気になったのは下の図の場所です。左のSAR画像の中心付近に黄色の明るい(つまり、VV偏波とVH偏波の強度が強い)ピクセルがあります。SAR画像で見ると遺跡の建築物は強度が強いピクセルで表されたので、このようなピクセルも建築物ではないかと思ってみたわけです。この場所をTrueColor画像で見たのが右の図です。何かあります。岩ですかね。尖っているように見えなくもないですが、まぁ単なる岩だろうけど、未発見のピラミッドだったら嬉しいな。と、こんな妄想をして遊んでいます。