「ブックエンドのテーマ〜リプライズ」 Bookends Theme-Reprise/サイモンとガーファンクル「ブックエンド」第7曲
前曲「旧友(Old Friends)」のボーカルが終わると、オーケストラによる不安げな曲想の後奏が長く続きます。やがてホルンによる「旧友」のメインメロディーの変形を合図に、オーケストラがヒステリックに再び騒ぎだしますが、全体がオリジナルメロディに導かれ…、ストリングスの長いフレーズ。ギターの前奏が溶け込みオケの音は消えていきます。ギター伴奏だけになり、第1曲「ブックエンドのテーマ」でギターだけで奏でられたメロディに歌が重なります。
1枚の写真に写るのは想い出。すべてであり、そして唯一のもの。
人間はいつまでも生きられません。でも、死んで灰になろうと、埋められようと、想い出だけは残る。その想い出はさまざまな人、家族、親類、友人、隣人の心に残り、語り継がれ、生きていきます。
想い出のアルバムは…古い机の上、ブックエンドに支えられ立っています。優しげに、そして寂しげに。
歌が終わり、最後同じフレーズをギターが奏でる音が、じーんと心に響き、その余韻はいつまでも残ります。
【余談】
"Old friends" 訳は「旧友」。しかし、単に「古い友人」に留まらない深い意味を私は感じます。
まずOldとは「古くからの」、「旧来」のという意味。そして「古い」という意味で「高齢の」という意味両方が込められています。またfriendsとは本来「友人」ですが、「同志」、「同世代」という意味もあるのではないでしょうか。
つまり、Old friends=旧友(古くからの友人)ではなく、自分と同じように年老いた仲間。それは必ずしも知り合いでなくともよく、ベンチに腰掛けているけれど見知らぬ人、自分と同じように人生を生きてきた他人。たぶん語り合えば、時代を共有できる人。同世代人と言い換えられるでしょうか。
Old Friends=「同世代の君」のような意味合いではないか、と思うのです。(同世代の君なら、旧友でいいかもしれませんが…)