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マーラー 交響曲第三番(2)

【第2楽章】 「野原の花々が私に語ること」

ゆっくりとした三拍子のこの楽章は、第1楽章の雰囲気とまったく違う色合いです。

のどかですね。軽井沢あたりで避暑を楽しむ優雅な家族(←あまりに日本的なローカルな表現ぢゃないか!えっ!)、もとい、オーストリアの片田舎の草原で牛や羊たちが牧草を食べているような光景が目に浮かびます。

弦楽器だけのこの戯れがなんともいえない快感です。心静かな時は静かなまま、そっとしておきましょう。木管楽器はその気持ちよさをに横やりを入れるように、結構現実的なふるまいをしてくれるのが玉にキズ。一緒になって弦楽器もピチカートで追いかけっこをしています。木管楽器のこの横やりは、民族色豊かな戯れのようです。

牧場の、のどかさと戯れの心休まらないスペクタクル両方兼ね備えたこの楽章。だけど、この交響曲の中の位置づけは?なんとコメントしましょう。

【第3楽章】 「森の動物たちが私に語ること」

ゲームの「ファイナル・ファンタジー」に出てくる山の奥の村のような摩訶不思議な曲想です。これ、日本人は、誰も想像できない映像ではないかな。オーストリアというよりもスラヴ系の山の奥の村という印象です。
(あくまで個人の感想です)

いや、もっとアジアに近くなって中央アジアあたりでしょうか。とにかく、ハイドン、モーツァルト、ベートーヴェンなどウィーン古典派音楽の世界には出てこない趣向と私は思っています。たぶんマーラーの民族の血流が源流にあるからでしょう。

聞くと、ある意味頭が混乱、いえ、ぶちぎれてきます。まあ、このぶっちぎれ度がまたマーラー音楽の醍醐味でもあるんですが、慣れるには少し時間が必要かも知れませんね。

この楽章での目玉は、ポストホルンの遠い調べ。山奥の村にくつろぐあなたが、遠くから聞こえるその調べに心なごんでいる、そんな場面を想像してください。応えるように身近の小鳥たちが歌い始める。再び遠い調べ。自然と人間の音の調和です。

第2楽章と第3楽章は、自然そのものをマーラーが歌い上げているのです。

しかし、第3楽章の最後、短いフレーズで急に激しい音楽になります。のどかで、くつろぐ人間に水をかけるような。何かの予言でしょうか。
(続く)


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