見出し画像

No.13 磐梯山

「東北の山に行きたい」

そう思ってもなかなか行けないのは

距離と時間、勿論お金もかかるからだ。

だからこそ、もしも一泊二日で2つの山を登れるとしたら……

少し欲張ってでも登りたい。

だって次はいつ来れるか分からないのだもの。

そう思い、安達太良山に登った翌日、

福島県のもう一つの名峰であり、日本百名山の一つでもある

磐梯山(1819m)へ向かった。

前日は安達太良山下山後、

猪苗代湖畔の磐梯山を眺めながら宿泊できる、

雄大な自然に囲まれたキャンプ場「天神浜オートキャンプ場」に宿泊。

画像1

この日は貸し切りで最高に贅沢なひと時を
過ごす事が出来た。

翌日、天神浜オートキャンプ場から

磐梯山登山の一番メジャーな登山口「八方台登山口へ」。

画像2

山頂までの高低差が一番低く、比較的初心者でも挑戦しやすい

山頂まで2時間のコースだ。

緑がキラキラと輝く木漏れ日のトンネルからスタート。

画像3

段々と緩やかな登りになり樹林帯のトンネルを抜けると

日本昔ばなしのような世界。温泉の跡地に遭遇。

画像4

廃墟もある。

画像5

田舎らしい景色に心が和む。

その後少し傾斜が急になってくる。

この日は東北の6月と言えど夏日で日差しがとにかく強かった。

お団子頭は失敗。帽子を被るべきだったと反省。

そんな暑さに限界を感じた頃にたどり着いたのが「弘法清水小屋」だ。

画像6

まずは小屋の近くにある弘法清水を…

画像7

この湧き水がとても冷たくて美味しい。

体の汗が引いて、生き返る。

更に小屋で冷たいジンジャエールを乾いた体に一気に流し込み復活。

小屋の有り難みが身にしみる瞬間だ。

ゆっくりして行きたかったが、

下山も同じ道で下りるピストンルートだった為

先に山頂を目指し、下山時にゆっくり寄ることにした。

ジンジャエールパワーで最後の岩場の急坂を登り切れば

そこは360度の大パノラマが広がる山頂だ。

この日は少し霞がかっていて、あまり遠くの景色までは見えなかったが

十分気持ちが良かった。

360度のパノラマステージ。

画像8


気持ちが良くない分けがない。

雄大な自然の中、点にもならない私の小ささを感じながら熱唱。

全然響かない。

やっぱり私はちっぽけだ。

そして、そんなちっぽけな私の悩みは点にもならないほど小さなことだ。

そんな風に磐梯山は思わせてくれた。

山で歌うと感じる自分の小ささ。

これが私は嫌いではない。

なんだかほっとする。

どんな私でも受け入れてくれるでっかい懐の深さが私の心をいつも軽くしてくれるのだ。

画像9


磐梯山でバンザイ。

私の山友と言えば!のなっちゃんと。

一緒に歩き慣れている彼女とだからこそ

最高に楽しめた。

いつもいつもありがとう。

そんななっちゃんと下山途中。

再度「弘法清水小屋」へ。

名物の「なめこ汁」を山頂でご一緒した方が御馳走してくれた。

山頂Liveのお礼にと。

山ではこんな心温まる出会い、感動が訪れるのだ。

励みになり、活力になる、忘れられないなめこ汁の味となった。

画像10

小屋番の方もとても親切で、またしても東北なまりがたまらない。

私が東北にゆかりがあるからなのか……

東北弁には故郷の温もりを感じ、なんとも居心地がよくなる。

大好きなのだ。


時間を忘れてゆっくりと小屋時間を過ごして無事下山。

コースタイムはトータル約3時間半と言ったところだろう。

特に危険箇所はなく、心地よいトレッキングを堪能出来る。

ただ、時期もあってか小さな虫を常に連れて歩いていた。

虫除け必須。

すれ違う何人かの登山者さんは蚊帳付きの帽子を被っていて

その姿がとても羨ましく、欲しくなってしまうほど。

それともう一つ。

登り始めたらトイレはない。

携帯トイレはもしもの為に必ず持参しよう。

虫除け対策、トイレ対策を万全にすれば

より良い磐梯山ハイクが楽しめるだろう。


360度の圧倒的な大パノラマと温かい出会い、

心温まる「なめこ汁」が味わえる福島のシンボル。

それが

磐梯山だ。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?