母の「とんがり帽子」#エール
♪緑の丘の赤い屋根〜
「とんがり帽子」の歌は、1947年(昭和22年)7月5日から1950年(昭和25年)12月29日までNHKラジオで放送された菊田一夫作によるラジオドラマ『鐘の鳴る丘』の主題歌です。
復員してきた主人公が、空襲で家も親も失った戦災孤児たちと知り合い、丘の上にある、とがった屋根の時計台に鐘がある施設で力を合わせて共同生活をし、明るくたくましく生きていく様子が共感を呼び、主題歌とともに国民的ヒット番組となりました。
その当時、夕方になるとラジオの音が家々から聞こえてきて、それを合図に子供たちが家に帰ったとも聞いています。
放送番組世論調査(日本放送協会編「ラジオ年鑑」25年度版)によると、90%近い人が「鐘の鳴る丘のラジオ放送を聞いたことがある」と答えている(wikipediaより)そうです。
私の母はラジオドラマが始まった当時8才、6人兄弟の長女で、浅草にあった家は東京大空襲で失い、家財道具も財産もなくし貧しかったのですが、この「とんがり帽子」の歌が聞こえてくると急いで家に帰り、ラジオを楽しみに聞いていたことを思い出すと言います。
私がなぜかこの曲を全て歌えるのは、私が子供の頃から母が意識しないで度々口ずさんでいたのでしょう。
「とんがり帽子」は冒頭からスキップのリズムです。
そして、1フレーズごとに音程が上がっていき、1番の最後は1オクターブ上がりきって終わっています。
戦後の食糧難や貧しく混乱の中にあって、ドラマの内容と共に、楽曲からも力強く生きる希望を、自然と口ずさむ中から感じられるようなものだったのでしょう。
ドラマ「エール」を見た母は、思わず一緒に歌ったと言って、すぐに歌詞を書き留め、鏡台に張っていました。(一部歌詞を勘違いしてましたが)
大人になっても忘れられない、大切な歌なのだと思います。
NHK連続テレビ小説「エール」 (NHK総合月〜金 朝8:00〜8:15、12:45〜13:00)
土曜日は1週間を振り返ります。その他NHK BSプレミアム、NHK BS4Kでもオンエア中です。
*放送予定 3月30日〜9月26日
またNHKオンデマンドでも見逃し放送をご覧になることができます。