【初期のスーパーカーの楽曲たち】みずみずしいバンドサウンド
【初期のスーパーカーの楽曲たち】
〜 みずみずしいバンドサウンド 〜
あるとき、、、
青森の楽器屋でメンバー募集の紙が貼られていました。
そこからメンバーが集まり、すべてが始まった。
みずみずしいバンドサウンド
男女混声ボーカル
不思議な浮遊感
何もかもが新鮮なバンドでした。
その名は、スーパーカー。
デビューシングルは「クリームソーダ」
＜ 1st, cream soda ＞
1997年デビューのスーパーカー、男性３人、女性１人の４人組のバンド。
ボーカル ： ナカコー
ギター ： いしわたり淳治
ベース ： フルカワミキ
ドラム ： 公大
当時、男性３人、女性１人のバンドといえば、たいていが女性ボーカルバンドと相場が決まっていたので、新鮮なメンバー構成でした。
スーパーカーでは、ボーカルはナカコーの曲が多いのですが、 フルカワミキがコーラスをつけたり、フルカワミキだけがボーカルの曲もあったりします。
この頃、名古屋に住んでいた私は、東海ラジオの音楽番組「J-POP Magic!」を毎週聴くのが楽しみでした。
最初、DJをしていた音楽ライターの小杉之子さんが「スーパーカーでクリームソーダ」と紹介したとき、、
「どっちが曲名で、どっちがバンド名なんだ！」
と、私は混乱しました！
「変わったバンド名だなぁ」と思いながらも、曲を聴くと、そのセンスのいいサウンドに驚きました。
そして、セカンドシングルの「ラッキー」で完全にノックアウトされました！
＜ 2nd, Lucky ＞
ふわふわした雲のような浮遊感のあるサウンド。
しかも男女ツインボーカル！
なんて斬新な楽曲だろう！
「とにかくすごいバンドが現れた！」
強く感じました。
当時、音楽ライターの小杉之子さんが
「今後、バンドの新しい形になるようなバンドがデビューした」
と形容していたことが、今でも忘れられません。
サードシングルの「PLANET」。
心地いい気だるさとでもいうべく、不思議な脱力感をかもし出しています。
スーパーカーらしいサウンドの楽曲です。
＜ 3rd, PLANET ＞
デビューしてから、スーパーカーは快進撃を続けました。
1998年4月、シングル３枚をリリースした後、スーパーカーはファーストアルバム『スリーアウトチェンジ』をリリースします。
一面ブルーのジャケットは、まるでスーパーカーの清々しいサウンドを表しているようでした。
私は、アルバムの帯にあるロッキング・オン・ジャパン編集長、山崎洋一郎さんのコメント
「これまで何度か体験してきたポップレヴォリューションがまたも新たに起こりつつある」
（山崎洋一郎, ロッキングオン）
が印象的でした。
しかも、歌詞カードにも山崎洋一郎さんによるライナーノーツが書かれていました。
一部、抜粋します。
一見のどかな青森の風景、
でもそこにはビリビリとした 「今」 が宿っているし、
その風景を毎日見ながら何げない日常を送っている彼らの心には
世界を飲みこんでしまうほどの衝動が宿っている。
そこでの夜は世界の絶望と等価だし、
降る陽の光は世界を変える希望と等しいはずだ。
※ 山崎洋一郎、ファーストアルバムのライナーノーツより抜粋
当時、無名の新人バンドが、由緒ある音楽雑誌の編集長から、ここまで最大限の賛辞をいただくなんて！
スーパーカーは、音楽ファンや音楽関係者からの評価が高かったように思います。
まさに本物の証拠です。
＜ 4th, Drive ＞
４枚目の「Drive」は、フルカワミキさんをボーカルにフィーチャーしたかわいい楽曲。
ナカコーとフルカワミキさんのダブルボーカルで展開しようとするレコード会社の意図も感じます。
それにしても、、
変幻自在のスーパーカーの楽曲に、私はまたまた驚きました。
「なんて才能がほとばしるバンドなんだ！」
そんなふうに内心で思っていました。
＜ 5th, Sunday People ＞
不思議な浮遊感や脱力感に深みがかかってきた５枚目のシングル「Sunday People」。
今思うと、、
この頃から、スーパーカーのサウンドは、後期のエレクトロニクス・サウンドへと向かい進化していたように感じます。
このように、、
衝撃的なデビューを果たしましたが、
スーパーカーの快進撃はまだまだ続きます！
〈 次のコラム 〉
■ 執筆者 ： 松岡 学（数学者）
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