音楽で胸がときめかなくなってきたら、スーパーカーを聴いてほしい
音楽を聴いていて、「最近何だかときめかないなぁ」 と感じたことはありませんか?
世間にはたくさんの音楽であふれていて、いい曲も多いのですが、、、
「何か物足りないなぁ」 と感じたとき、私ならスーパーカーを聴く。
スーパーカーの音楽は、聴く者の心を揺さぶるからです。
ここでは、以前、私がブログで書いたコラムをリライトして、こちらでも紹介させていただきます。
最近私は、くわっちと一緒に「音楽のかからない音楽番組」を始めました。
くわっちは青森在住、FMラジオや自身の stand. fm などで津軽地方の魅力を発信しています。
くわっちと音楽ラジオを配信するようになって、青森と音楽について考えるようになりました。
私にとって青森出身のスーパースターといえば、スーパーカーが思い浮かぶ。
90年代後半、スーパーカーがデビューしたときの衝撃を、私は今でも忘れられない。
私のスーパーカーとの最初の出会いはラジオでした。
私が大学院生の頃、数学をしながらラジオを聴いていたら、デビューシングル 「CREAM SODA」 が流れてきました。
「スーパーカーとは変わったバンド名だなぁ」 と思いながら、軽い気持ちで耳を傾けていたのですが、そのみずみずしいギターサウンドに驚いた。
そして、、、
セカンドシングル 「LUCKY」 で、私の心はわしずかみにされた!
男女混成ボーカル
浮遊感のあるサウンド
清々しいギターポップ
何もかもが新鮮でした。
スーパーカーには他のバンドにはない独特の雰囲気があり、そこが魅力。
「すごいバンドがデビューしたなぁ」、そんなふうに感じました。
< 男女混声ボーカルが胸に響く「ラッキー」>
スーパーカーは、男性3人、女性1人の4人組のバンド。
ボーカル : ナカコー
ギター : じゅんじ
ベース : フルカワミキ
ドラム : 公大
ボーカルは、ナカコーの曲が多いのですが、 フルカワミキがコーラスをつけたり、フルカワミキだけがボーカルの曲もあったりします。
東海ラジオの音楽番組で、DJをしていた音楽ライターの小杉之子さんが
「今後、バンドの新しい形になるようなバンドがデビューした」
と形容していたことが、今でも忘れられません。
当時は、ミスターチルドレン、スピッツ、LRなどのバンドブームが落ち着いてきた時期だっただけに、、
私は、スーパーカーのデビューによって、新しい時代の幕開けを感じた。
スーパーカーは、何枚かシングルを出した後、ファーストアルバムをリリースしました。
青空のような、そのジャケットからは、スーパーカーのギターサウンドが青空いっぱいに鳴り響く風景を思い起こさせます。
< ファーストアルバム『スリーアウトチェンジ』 >
私は、アルバムの帯にあるロッキング・オン・ジャパン編集長、山崎洋一郎さんのコメント
「これまで何度か体験してきたポップレヴォリューションがまたも新たに起こりつつある」
(山崎洋一郎, ロッキングオン)
が印象的でした。
しかも、歌詞カードにも山崎洋一郎さんによるライナーノーツが書かれていました。
一部、抜粋します。
当時、無名の新人バンドが、由緒ある音楽雑誌の編集長から、ここまで最大限の賛辞をいただくなんて!
スーパーカーは、音楽ファンや音楽関係者からの評価が高かったように思います。
まさに本物の証拠です!
< デビューシングル「クリーム ソーダ」>
デビューしてから、スーパーカーは快進撃を続けました。
そんな中、、、
彼らの音楽性にも変化が生じます。
いや、進化といったほうがいいでしょう。
みずみずしいバンドサウンドから、エレクトロニックなサウンドへと、サウンドが進化してきたのです。
今でこそ、パフューム、きゃりーぱみゅぱみゅなど、メジャーシーンでエレクトロサウンドを見かけるのが普通になりましたが、
当時としては斬新でした。
まわりの目を気にせず、自分たちのやりたい音楽を追求する。
そんな音楽的に純粋な姿勢が、心に響きました。
当時は、バンドブームが去った後、、、
女性ボーカル、R&B、女性アイドル、シンガーソングライターなどのムーヴメントが起こっていました。
思うのですが、、、
日本の音楽シーンって、数年おきに大きく移り変わっていくものなんですね。
この頃になると、あまりバンドを見かけなくなりました。
バンドブームの頃、、、
あんなにたくさんいたバンドたちは、一体、どこへ行ってしまったんだろう?
ちょうど、私が寂しい思いをしていた頃でした。
その頃の私を支えていたのが、
スーパーカー、くるり、GOING UNDER GROUND、ミッシェルガンエレファント
でした。
CDを何度もリピートして聴いていました。
< フルカワミキによるボーカル「STROBOLIGHTS」 >
ちなみに、この頃、モーニング娘の藤本美貴さんが、ミキティという愛称で親しまれていましたが、、、
スーパーカーファンにとっては、ミキティといえば、フルカワミキさんのことです!
このように、 バンド音楽が、他のジャンルのムーヴメントに押されていた時代、、、
バンド受難の時期に、、、
スーパーカーはメジャーシーンで活躍していました。
スーパーカーのエレクトロサウンドの時代の代表曲の1つに 「STROBOLIGHTS」 があります。
フルカワミキをボーカルに据えたその楽曲は、不思議な魅力を感じます。
当時、何げなく訪れた HMV の試聴コーナーで、「STROBOLIGHTS」 がパワープッシュされていて、
スーパーカーの圧倒的な勢いを感じたことが、今でも印象的です。
テレビのコマーシャルにも使われていたので、曲を聴けば、聴き覚えのある方は多いのではないでしょうか。
「STROBOLIGHTS」、「YUMEGIWA LAST BOY」、「AOHARU YOUTH」 の頃が、スーパーカーのエレクトロサウンド時代の全盛期です。
彼らは精力的に作品を創作し、楽曲たちからもバンドの勢いを感じました。
デビュー時のバンドサウンドから、エレクトロサウンドへとガラッと変わった印象がありますが、、、
曲に秘められた不思議な浮遊感や世界観は不変で、聴く者の心にしっかりと響きます。
いつまでも私は、スーパーカーの音楽とともに、人生を歩んでいけると思っていた。
解散のときがくるなんて、夢にも思っていなかった。
< エレクトロサウンド時代の代表曲「YUMEGIWA LAST BOY」 >
数年後、、、
スーパーカーが解散すると知ったとき、とても衝撃でした。
「まさか!」
と思いました。
これまで8年間、当たり前のように彼らの楽曲を聴き続けてきたので、本当にショックな出来事でした。
ちょうどスーパーカーが解散する前後に、 下北沢を中心にバンド音楽が盛り返してきて、、、
下北沢系と呼ばれるムーヴメントになりました。
勢いのあるバンドが次々に現れ、バンド音楽が盛り返してきました。
バンド受難の時代を乗り越え、
ようやく、、、
再び、J-POPシーンでバンド音楽が盛り上がってきた頃に、
スーパーカーは解散したのです。
スーパーカーが解散したとき、私の中で1つの季節が終わった気がした。
失恋したときと同じくらい悲しい気持ちになりました。
私は小杉之子さんのラジオ番組にメールを出しました。
解散のショックな気持ちを綴り、文章の最後に、
「小杉さんの好きな曲をラジオで流してください」
と書きました。
私のメールは、ラジオで読み上げていただき、小杉さんは 「MY GIRL」 を流してくださいました。
そのとき聴いた「MY GIRL」は、解散のショックで悲しい思いをしていた私の心に、深く、深く染み入りました。
彼らが解散した後、、、
CDショップに行って気づいたことがありました。
HMV や タワーレコード といったCDショップに行くと、
メジャー、インディーズに関わらず、いろんなバンドのCDが棚に並べられています。
そんな中、新しいバンドの紹介文に
「初期のスーパーカーのようなバンドが現れた・・・」
とか
「初期のスーパーカーが好きな人にお薦め・・・」
といった店員さんの手書きコメントをときどき見かけました。
音楽関係者の間でも人気の高かったスーパーカー。
そんなところからも、スーパーカーの偉大さをあらためて感じさせられました。
というわけで・・・
「最近音楽を聴いていても、胸がときめかなくなってきたなあ」と感じたときは、ぜひスーパーカーを聴いてほしい。
彼らの音楽は、今聴いても色あせていない、
というか、今聴いても新しい!
私も、ときどき、スーパーカーの音楽がすごく聴きたくなります。
彼らの創造力がつまった音楽を聴くと、
胸がときめき、 音楽のすばらしさを感じることができるからです。
< はかなげなサウンドが胸に染みる「My Girl」>
■ 執筆者 : 松岡 学(数学者)
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■ 「音楽のかからない音楽番組」について
くわっちと一緒に、you tube番組「音楽のかからない音楽番組」をやっています!
番組ではジャンルを問わず、お互いの琴線に触れた音楽をお届けしています。
このときは、
私がスーパーカーについて、
くわっちが三谷泰弘さん(esq)について、
熱く語っています!
ぜひお聴きください!
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