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【MIDI超入門】StrymonをBOSS ES-8でMIDI制御したい話

どうも、やっぱり年度途中で更新が止まるkです。

最近は仕事や私生活に追われ、中々ギターを弾く時間が確保できなくなってきましたが、心はいつでもギタリスト…のつもり…!
合間にこうやってNoteを書くことで少しでも心を音楽につなぎとめておきたい…という心境の今日この頃です。

さて、今回は今までとはちょっと趣向を変え、ボードを設計したときのMIDI設定についての記事です。私が採用しているStrymonの空間系3台×BOSS ES-8って王道な組み合わせなのですが、各パラメータの設定について分かりやすく解説がされている日本語の媒体ってあまり見当たらないような気がするんですよね...

「木ノ葉同盟国」「砂の」「忍だ」

今回は実用性重視で、同じ機材を持っている方にフォーカスを当てつつも、MIDI設定の大枠についてざっくり解説してみよう、と思い記事を書いてみました。MIDI初心者・スイッチャー検討中の民は是非!

MIDIとは

そもそもMIDIってなんだっけ、という話ですが、Musical Instruments Digital Interfaceの略で、1981年に策定された電子楽器同士を接続するための世界共通規格です。
詳しく説明したら長くなる(というか説明できない)ので、ここではエフェクターに各種コマンドを送信するための信号の一種くらいに思って頂ければと思います。

で、これが何の役に立つかという話ですが、家弾きはともかく、いざライブやスタジオ練習に臨んで演奏する曲目が増えていくと、エフェクトの切り替えがメチャメチャ手間になってくるんですよね… マルチエフェクター?知らない子ですねぇ…

漢は黙ってエフェクターを並べるんだよ!!!

私の場合は冒頭に述べた通り、空間系にStrymonのエフェクター3台をBOSS ES-8で制御する、という中々ボリューミーなボード構成を採用していますが、そんな時に役に立つのがMIDI。

絶対的司令塔であるBOSS ES-8からMIDI信号をStrymonに送ってパッチや機器を完全制御したい…!そんな方はこの記事を見れば設定の方法が大まかに把握できるようになると思います。次に行ってみましょう~。

Strymon側の設定

以下は制御する先のエフェクターで必要な設定です。これはStrymon以外の機材に読み替えて頂いてOKな部分です。Strymon側は大体本体のグローバルメニューから設定できます。

チャンネル番号の設定

まずはES-8からくる信号を受信するStrymon側のどのエフェクターで受けるか、の送受信先の設定から始まります。
例えばBOSS側で「このMIDI信号はチャンネル1に飛ばそ」と指定したら、MIDIケーブルで接続されている機器群の中でチャンネル1と設定された機器が呼び起こされるわけです。

Midichのセクション Bigskyはチャンネル3です

ちなみにこのチャンネル番号はES-8で設定しているエフェクトループの番号とは独立した概念なので、気にせずに設定しましょう!

MIDI THRUの設定

今回はMIDIを複数のデバイスで使用するので、複数の機器に信号が行き届くように設定する必要があります。ES-8からMobius・Timelineを経由してBigSkyまでMIDI信号を通過させるので、Strymon(エフェクト受信)側は全部MIDI THRU(Inputに来た信号をOutputに通す)に設定しています。

今度はMIDITHセクション 全機種Thruです

どうでもいい話ですが、スルーって言われると「Inputに来た信号を無視して次に渡す」みたいなニュアンスに聞こえてちょっと語弊ありますよね。ちゃんとThru設定した機器にも信号は適用されているので安心しましょう。

BOSS側の設定(マスト)

BOSS側は各エフェクトパッチ毎に下記の設定が可能です。Editボタン押下→Patch選択後、Patch MIDI 1~8の各項目にて設定を開始しましょう。

全てはここから!

チャンネル番号の設定

これはStrymon側で設定した内容と同様です。パッチ毎に、どのチャンネルの機器にMIDI信号を飛ばすか、を設定しましょう。スイッチャーはテレビでいうところのリモコンの役割です。

一番左の数値に注目 Ch3と設定されたペダルに信号を送ります

Patch MIDIはパッチ1つにつき8個まで設定できるので、個人的にはCh1宛のMIDIはPatch MIDI1に、画像のようにCh3にMIDIを送るのであればPatch MIDI3に、という具合で設定するのが管理もし易くておススメです!

PC#の設定

PC#はプログラム・チェンジ・ナンバーの略で、簡単に言うと呼び出し先のエフェクターのバンクにプリセットしたエフェクトを指定して呼び出す番号です。こういうのをプログラムチェンジ、と呼ぶので覚えてしまいましょう。

今回使用するStrymonの場合は基本的には100個あるバンク1つにつき2つ(Bigskyは3つ)のエフェクトをプリセットできます。Strymon側のバンクのナンバリングはNo.0~99で設定されており、

 0-1(PC#1)⇆0-2(PC#2) (⇆BigskyのみPC#3)
 1-1(PC#3) ⇆1-2(PC#4)(⇆…)
 2-1(PC#4) ⇆2-2(PC#5) (⇆…)

といった具合でカウントアップされます。

バンク0-1の状態 ここからカウントアップが始まります

ここでPC#を設定してあげることで、「Ch●のエフェクターの▲番目に保存した音を呼び出したい」と指定することができるわけです。

再掲 Ch3に設定したStrymonに保存された9番目のエフェクトを呼び出す、の意

ややこしいですが、Strymonバンクでいうところの1-1を呼び出すときはPC#を3に設定、1-2を呼び出すときはPC#を4に設定といった具合で、PC#のカウントアップで頭がバグりそうになる時があるのでご注意ください笑

こんな感じでExcelでパッチ管理するのオススメです

CC#を設定

CC#はコントロール・チェンジ・ナンバーの略。これを設定することでMIDIを送信した先のエフェクターのパラメータや状態をコントロールすることができるMIDIの真骨頂みたいな番号です。PC#と組み合わせることで、好きなエフェクトを好きなセッティングで呼び出すことができるようになります。

ここ重要!

具体例で観ていきましょう。例えばStrymonだったらCC#102がバイパス(エフェクトのON/OFF)をコントロールするCC#です。このCC#を設定した後、Valを0(つまり102-0)にするとバイパスオフ、127(102-127)でバイパスオンといった具合で、スイッチャーを1回踏むだけで信号を飛ばした機器を一括で制御することができます。Ch1はオン、Ch2もオン、Ch3はオフ、みたいな操作が一瞬でできます。めっちゃMIDIっぽくなってきましたね。これはMIDI信号を送る側のデバイスで設定してあげましょう。

ちなみにCC#自体が持つ意味合いは各機種によって異なり、各CC#がどのパラメータを弄れるかは基本的には各エフェクターのマニュアルとかに載っています。使わないならオフが推奨です(0じゃなくてオフ!CC#0に値が設定されてるかもなので)。

BOSS側の設定(任意)

ここからは設定は任意ですが、より詳細な制御が可能となる項目について、一部だけ解説します。

MSB/LSB

それぞれ最上位/最下位ビットの略で、超ざっくり言うとMIDIで操れる値の幅を増やすための値です。何言ってんだって感じですが、エフェクトのチャンネルやON/OFFを切り替える程度の操作のみであれば、基本的に設定不要です。以下は興味ある方向けの細かめの解説です...

MSBは「128個のデータ」の集合体、LSB は 0~127 のデータで、128になったらMSBに繰り上げてMSB 01と言った具合でカウントアップされていきます。

これがどう便利かという話ですが、音色やピッチベンドなど、従来128段階しか使用できないMIDI信号だけではとても変化量の幅としては足りない為、MSBとLSBを組み合わせることにより、128 × 128 = 16,384 段階の値を扱うことができるようになる...というのが最大の利点です。

複雑な音色の操作が求められる曲では活用する場面が出てくるかと思います。私は使った試しがないですが…笑

MIDI Clockの設定

こちらはディレイタイム等を同期することができる値です。MSB・LSB同様細かい設定ができるステキ機能なのですが、使わないならBOSS側で一括オフを強く推奨します。変に機能しちゃうと、せっかくStrymon側で設定したディレイタイムを狂わせてしまう、なみたいな悪さをしてしまうので…

ここまで使いこなせるようになるのはもうライブとかで相当やりこむタイプの方なんでしょうね…

(MIDIではないけど)パッチ切替タイム

これマジ便利

Play Optionから設定できる値です。これはMIDIとは関係のない設定ですが、パッチ切り替え時の音切れをゼロにすることができます。特に空間系のエフェクトを使っている場合はデフォルト設定の5では不自然な空白が生まれてしまうため、0にすることで自然な切替ができるようになります。

余談ですが、この設定、ES-8や5ではできるのに、なぜかMS-3だと出来ないんですよね... 何故…

まとめ

正直突き詰めればMIDIでもっと色々と細かな操作をできるようになりますが、ここまで読んで頂いた方は、機器をコントロールするにあたっての大凡のイメージはついたのではないでしょうか?今回はStrymonとBossという組み合わせでしたが、Strymonは他の機器に読み替え易かったと思いますし、Boss未所持の方も、各パラメータの持つ意味合いは他のスイッチャーでも変わりませんので、お役に立てていれば幸いです...!

私自身スイッチャー導入時には大分苦労してこの設定を読み解きましたが、この記事が皆様のボード構築の一助になれば...!増えろ...クソデカボードの民...!

今後気が向いたら動画とかよりニッチな内容とかを追記していこうかな…

ではまた!

<参考リンク集>

BOSS公式 これを読めば大体わかる(放棄)https://www.boss.info/jp/support/by_product/es-8/owners_manuals/

英語だけど一番分かりやすい動画↓

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