迷曲8 「生きてる価値なし」【Jojo広重】
ーー何を問うているのか、それはもはや芸術なのかーー
【Jojo広重ー生きてる価値なし】(音量注意)
今回は視聴注意。この曲、実は数人に勧めてみたのだが、全員途中で曲を止めてしまった。「聞くに堪えない」「やばくねこの歌」「歌というより叫び」。非難100%だった。勇気100%じゃないんだから。
Jojo広重は「非常階段」のバンドメンバーで、ノイズミュージックの中心人物とのこと。この曲でもわかるように、強烈なノイズの叫びが持ち味だ。Wikipediaに興味深い記述があったので転載する。
[2010年、JOJO広重のエッセイや非常階段のメンバーの自伝などを収録した書籍『非常階段 A Story of the King of Noise』が刊行される。非常階段がステージ上での放尿や嘔吐などのパフォーマンスで知られる事に関して、広重自身は「ノイズをアートにしたくない。偉くなりたくなかった。僕らは、昔のプロレスでいう反則レスラー。この本は、30年間アホでしたという記録です。」と語っている。]
まあ大体のイメージがついた。当時にありがちの過激なロックスタイルで注目を集めていたようである。ただ、こういう存在を愛おしく思う方も一定数存在するのは間違いない。
私はノイズミュージックについて気になった。やはりWikipediaからその概論を転載。
[いわゆる音楽的常識からは音楽と見なされないものを演奏または録音し、楽曲を構成していく音楽。その名前自体がこのジャンルの特徴を簡潔に言い表しており、リズムや旋律は原則として内包せず、また重要ではない。]
これを見るに立派な一ジャンルとして形成されているものと思われるが、Jojo広重はそれをアートにしたくなかったと上記で述べている。捉え方によってさまざまではあるが、Jojo広重はそういうつもりではなかったようだ。
ちなみに「日本におけるノイズミュージック」ではまずこのJojo広重、非常階段の名前が挙がっている。つまりはパイオニアというわけだ。他の追随者もあまりいないのか、第一人者のような存在と化している。
いまは恐らく99%の人が評価していないかもしれないが、今後ノイズミュージックがいつ日の目を浴びるかわからない。100年後だろうか、200年後だろうか。そうなって歴史を振り返ってみたときに、このJojo広重が再評価されるだろう。いわば上記の曲は昔のアニメーションでいう蒸気船ウィリーみたいな感じ。そう捉えると、この曲は価値があるのではとすら思えるのだ。
なんだかアートに触れるときのような気持ちになってしまったが、記憶の片隅に留めておく価値は十分ある。見識を広めてくれたことを感謝したい。
【今日の迷歌詞】
生きてる価値なし 生きてる価値なし