名曲860 「この地球のどこかで」【合唱曲】
ーーまた会えるのだろうか。きっとないだろうけどーー
【この地球のどこかで】
学生時代に出会った人々は自分の財産になる。それはひしひしと感じるのは、いまも自分がつながっているからだろう。だが、それは全体の1%である。99%は、もうずっと会っていない。
ある人は地方に行ったり、結婚したり、子どもがいたり、縁起でもないが亡くなった人だっている。それぞれどういう思いで過ごしているのだろう。少なくともいまこうやって文章を書いている自分より充実しているだろうか。私はこういう道に進んだ。それをかつての同級生はほとんど知らない。
この地球のどこかで。それは大袈裟ではなく、同じことを思う。皆既日食とかが出たりすると、きっとみんな同じ空を見ているだろうなあと。それはどこになっても変わらない。立場が異なれど。私にだってそれは平等だ。
学生時代では何も思わなかったフレーズがある。それは大人になってから耳にすると胸が痛む。それは「歩いてゆく道はきっと違うけれど 同じ空を見ているから」。
そう。歩く道のりはこの世界では見事に自由だ。これはなんともありがたいのだが、同時に離れることのほうが圧倒的に多くなる。いま学生の方はそれを覚えてほしい。つい昨日まで一緒にいた仲間が、明日からもう一生会わなくなるかもしれないのである。私は思い起こして苦しくなってしまう。
でもそんなときはこの曲を聴く。少しでも元気をもらうのだ。楽しかったあの時代にはもう戻れないけど、いまをしっかり生きることで、あいつらにも負けないぞと胸を張るのだ。
みんなも頑張って。
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