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言葉の発達遅延のある子、まだ単語しか出てこない子に、2語文を教える簡単な方法
私のピアノ教室には、定型発達の子どもたちも、発達障害のある子どもたちも、みんな元気に来てくれています。
知的発達遅延が原因で、発語の遅い子、わかっていても単語しか出てこない子(年長さん以上)には、私はピアノレッスンの前に、「言語.常識」のドリルをやってもらっています。
<その理由は3つ>
1.言葉と音楽の共通点から
音楽(ピアノ)は技術だけじゃなく、表現力を問われるもの。
相手に伝えようとするもの。
同じように、言葉も伝える技術が必要であること。
2.リズム感と言葉の関係
長年ピアノを弾かせていて、言葉の発達のしっかりしている子どもの方が、リズム感が良いと感じているからです。(呼吸との関係もあります)
3.その子を知るため
知的発達障害のある子どもは、知識が大きな山あり谷ありになっていて、知っていると思っていることを知らなかったり、知らないと決めつけて話していたら知っていたり。この幅が、とても大きいのです。
その子の特性を早く知ることは、レッスンがスムーズに進む大きな要因になります。そのためには、「言語と常識」問題をいっしょに取り組んでいくのが最もベストだと感じています。
実はこの3つ目の理由が、いちばん大きいのです。
↓こんなイメージです。横線は、知っていないといけないこと。
(例えば、スズメは空を飛ぶけど、ペンギンは飛べない。)etc..
さて、ある日、小学一年生の女の子は、知的な遅れはありますが、明るくてよくおしゃべりをしてくれます。でもどうしても聞き取りにくさと、単語の繋がりのお話が多く、せめて2語文が出ればなあ~と思っていました。
今日の課題はこれ。↡
「男の子がボールを蹴っています。」
「男の子が本を読んでいます。」と言えることを目的とした問題ですが、
「ボール」「本」と答えます。
口頭で何度も復唱させましたが、記憶することができません。
そこで、持っていたスケッチブックに、こんな簡単な図を描きました。
そして丸の中に上から「男の子」「本」「読んでいます」
言えた!そして、すぐ覚えられた!よかった!
残りは宿題にしました。
お家でお母さんに、毎日少しずつやってもらうことにしました。
・・・一週間後
コツを掴んだのか全部覚えていて、こんな問題もたくさんできるようになっていました。
↡
嬉しい!嬉しい!嬉しい!
ほんのちょっとしたことでしたが、丸の中に言葉を入れることで、耳だけの記憶に頼らず、視覚からも言葉の順番を記憶することができたので、わりとスンナリ覚えられたのだと思います。