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(音楽話)112: Taylor Dayne “Don't Rush Me” (1988)
【今になって思えば】
1980年代、小学生・中学生だった私はThe Beatlesに出会って以来、急速に洋楽にのめり込んでいきました。いや、邦楽歌謡曲(J-POPではない)も懐メロもアニソンも好んで聴いてはいましたが、洋楽=日本ではない、最も知らない世界は、私にはとても輝いて見えました。
当時洋楽の情報ソースはTV番組、ラジオもしくは雑誌だけ。TV番組なら、土曜日夜11時台のテレ朝系列「カウントダウンUSA」と、TBS系列で火曜か水曜の深夜にやっていた「MTV Japan」が2大番組で、U局(UHF)のTVK「ミュージックトマト(通称ミュートマ)」は実家のテレビでは映らず、新聞のラテ欄を羨ましく眺めては妄想するしかありませんでした。
ラジオは、AMのFEN(現・AFN)かFM東京(現・TOKYO FM)。そして、まだ幼かった私に雑誌を買う金は無く、ごく稀に貯金を駆使して「FMファン」を買うくらいでした。
ちなみTV番組は、日テレ系列「11PM(通称イレピー)」でもたまに洋楽が取り上げられてました。番組的に色々気まずいため、いかに親の目を盗んで観ようとしたことか…も、もちろん洋楽ネタがお目当てですよ、ア、アレ観たさじゃないですよ!笑笑笑
一番影響を受けたのはやはり「カウントダウンUSA」。私にとって永遠の大師匠・小林克也が流暢かつ心地良い声で英語を操り、ビルボードやNMEなどの週間チャートTop10をランキング形式で発表していました。さらに新曲情報や特集、インタビューなどが都度織り込まれる番組構成は大変魅力的で、毎週夢中で観てました。実家にVHSビデオデッキが導入されると、3倍速モードで番組を録画し、擦り切れるくらい何度も観返し、全く意味を理解できない英語の歌を脳内カタカナ変換しながら覚えたものです。
1988年、私は中学生時代。「カウントダウンUSA」でランキングに初登場した時だったように思いますが、このTalor Dayne "Don't Rush Me"のPV(今はMV / ミュージック・ビデオと言ってますが、当時はPV / プロモーション・ビデオ。MTVでは「ミュージック・クリップ」なんて言ってたかな?)が流れました。
衝撃でした。何がって、Taylorの容姿と歌声です。一目惚れでした。
歌の内容なんてどうでもよく、とにかく彼女のルックスと服装にドキドキし、エスニックな匂いを感じる声質と艶感に完全にヤラレたのです。
次の日、近所のCDレンタルショップに行って彼女のアルバム「Tell It To My Heart」を1泊2日で借り、自分のステレオ(ダブルラジカセ+CDプレーヤー)でカセットにダビングし、ずっと聴いてました。
今になって思えば、あれはきっと、大人の世界や色気を突然強烈に感じてしまって、なんとか対処しなければとアタフタしたってことなんだろうなと。こうやって今書いているだけでも、かなり恥ずかしい記憶です笑
Taylor Dayne、本名・Leslie Wundermanは1962年、米国ニューヨーク・マンハッタン生まれ。高校卒業後にシンガーを目指し、ロックバンドでヴォーカルを経験。大学時代にはソロシンガーとしてデビュー・チャンスを探し続け、結果Arista Recordsと契約することに成功。1987年にシングル"Tell It To My Heart"が大ヒット、翌1988年のGrammysでBest Pop Vocal Femaleにノミネートされるに至ります。つまり前述アルバム「Tell It To My Heart」は彼女のデビュー作で、"Don't Rush Me"は4枚目のシングルでした。米国Billboardで最高2位を記録しています(1位はPhil Collinsの"Two Hearts")。
その後もアルバムやシングルをリリースしつつ、90年代には俳優業に進出します。シンガーとしての活動は緩やかになりましたが、今でも小規模ながらライヴ活動も行っていて、パワフルなヴォーカルは健在のようです。
それにしてもこうやって改めて振り返ると、よく憶えているなぁと思います。さすが10代真っ只中の記憶、間違いなく今の私の基礎の一部。
全てを吸収しようと必死でした。私にとってはどの音楽も新しい世界へのひとつひとつの扉で、それを開けては驚き、喜び、恍惚としながら貪っていました。周囲の同級生たちからは怪訝に見られてましたが笑、そんなの問題じゃありませんでした。当時の私には、音楽が全てだったのです。
赤いバラ 誘惑のサイン
その微妙な兆しを 逃しちゃダメよ
私は決断に 二の足を踏んでる
だってこれが愛かどうか 誰がわかるのよ?
(pre-chorus)
どうやら時間が 教えてくれるみたい
どうやってあなたを 知ることになるのかしら
あなたをリードする つもりはないわ
ただこうしたいの ゆっくり、ゆっくりとね
(chorus)
だから急かさないで
私失敗したことあるから わかるのよ
急かさないでちょうだい
この愛はきっと 意味あるものだって
待つだけの価値は きっとあるものよ
欲深いって 危険なことよ
恋人はほしいけど よくわかんない人はいらないわ
だからできるだけ 私は抑えてるのよ
だってこれが愛か遊びかなんて 誰がわかるの?
(pre-chorus)
(chorus x2)
て言っても私 もう抗えそうにない
お互い触れ合うと もうダメみたい
だってbaby あなたは全てなのよ
私が夢にまで見た 全てなんだから
(chorus and repeat with f/o)
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