ジストニア体験集2 リハビリ症例&手術症例リスト
この記事は『演奏不安・ジストニアよ、さようなら 音楽家のための神経学』の補足、深堀りです。
手術していない症例
順不同。個人的に印象的な部分を抜粋しています。
鍵盤、リハビリ症例
・動画「ジストニア改善経験者達の演奏」
トルーシュ亜紀子さんなど、11名のピアニストと、琴奏者の脇坂明日香さんが参加された動画。発症から、療法、練習方法、経過まで、様々な体験談が演奏とともに紹介されています。脳神経内科、青嶋陽平医師による編纂。
管楽器
フロート、尾崎勇太さん(左手、右手、口)動画
『4年前、フルート吹けなくなったんです。【難病】』
〜合格後入学後、左手に発症。自分でコントロールして、それから1年後、右手に発症し、その1年後、アンブシュアも。死のうと思った。病院や1回2万円の鍼治療に通ったが効果なし。
『【持病】オザキのジストニアの現在。【2021年4月版】』
〜改善した要因として
・コロナのせいで本番やレッスンに行かなくてはならないことがなく、じっくり自分に向き合う時間が持てた。
・大学を卒業した。東京藝術大学はシビアな環境。開放されて精神的に落ち着いた。
・作曲活動したこと。クラッシックを演奏をすることはシビア、ミスが許されない。自由な環境でクリエイティブな作業は、自分のできること、ミスしてもいい。創作活動は、精神を落ち着かせた。穏やかな気持ちで向き合う。
前向きに、楽しく過ごすことが一番いいです。笑
『ジストニア、こういうかんじで治しました ジストニアリハビリ記』
SAX、田村真寛さん(右手、左手)note 1982年生、東京藝術大学卒業
『ジストニアに陥った要因を考える」』
〜本番で音を間違うことに対してもすごく嫌悪感を持つ時期もあった。とにかく間違うことなく完璧に吹きたかった。(略)間違えないで済むように、10回でも100回でもひたすら繰り返した。
『ジストニア発症、克服の細かな経緯』
〜20歳(大学1年終わり頃)になったばかりのころ。ある日、それまで何の問題もなく出来ていた右手部分の半音階の下降フレーズが、いくら練習しようにもうまくできなくなっていた。一ヶ月くらいして回復。何も問題がなかったはずの左手に再発。
この頃同級生(ピアノ、フルート)にジストニアを抱える人が数人いることがわかり、色々と情報交換。紹介してもらった病院に通ったりする。
この時の主な対処としては、・マッサージ・カイロプラクティック・音楽家専門外来でのカウンセリングのようなもの。
1~2年くらい続けて、改善はなく、病院等に通うこともやめ、そのまま活動を続けます。アレキサンダーテクニークや催眠療法について、半信半疑、「なんとなくいい気がするかなぁ」くらいの感じでした。
僕は新しくなっている。めちゃくちゃ辛かったけど、今はそれを乗り越え、パワーアップしている自覚があります。
手術症例
定位脳手術については「音楽家のジストニアの治療法、利点欠点」参照
クラリネット、葛島涼子さん (左手)ブログ
父親の反対もあり、手術をしない方針で改善を試みられてていましたが、2020年に手術を受けられました。それまでのリハビリの経緯、ご自身の中で演奏することの葛藤を綴られています。
『フォーカルジストニアは完治することができるのか』
フォームの改善、SMR治療によって、ジストニアの症状を回復させていきました。しかし、軽快の後、再発。
『私が局所性ジストニアの定位脳手術を受けようと思った理由』
〜凝固術のデメリット、組織破壊を行うので不具合が起きた時も取り返しがつかない。2年近くかけてやっと、定位脳手術を受けようという思いになりました。
『定位脳手術をしました。局所性ジストニアは完治したようです』
〜後遺症も心配される類の手術でしたが、術後の身体の変化は、あんなに何をしても治らなかったジストニアの症状がきれいに消えただけでした。
ヴァイオリン、ピアノ、GENさん(右手、2010年手術)
『ピアノ演奏動画(2022年)』
アコーディオン、デ・ノンノンさん 動画
『私のジストニア体験・第2話・手術編』
『最終回・私のジストニア体験・リハビリ編』
〜手術直後、指は動くようになったが、弾き方を忘れて弾けない、字が書けない、計算ができない、周りから性格が変わったと言われるがわからない。ジャグリングやストレッチで体を動かして、半年後、仕事に復帰した。
人の顔を覚えられない、新しいことが覚えられない、感情が鈍くなった喜べない、言葉につまる、新ネタができない。
7年半経て、よかったと思う。手術をして指が動きやすくなった。
ギター、古田竜之介さん(左、小指薬指)動画
『【定位脳手術から2年】闘病の本音ぶっちゃけます!!』
〜音大生と肩を並べるには彼等の倍くらい練習しなくてはならないと、集中的に長時間練習していました。その為、練習自体がストレスを抱えた状態のものになってしまっていました。常にプレッシャーを己でかけながらのものでした。
手術後、左半身麻痺。左手の指が動きにくい、半身動きにくい、左に唾がたまる、しゃべりにくい。
ギター、田中義人さん ブログ(右手、ピック、手首から反り返る)
【手術から一年】 敗北感.... <第5話>
〜右手の反り返りが取れ、医学的に手術は成功かもしれない。僕の印象としては運動の記憶がDELETEされたという感覚だった。果てしない絶望感と敗北感に涙が出たもう俺は終わった…と。
【手術から一年】 リハビリ〜希望 <第6話>
ギター、黒河内さん 動画(2回めの術後報告)
『ジストニア手術終わりました!』