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楽器製作者ルドルフ・トゥッツ氏の素敵な映像

だいぶ前のことですが、バロック音楽の演奏会に行った時、とても雰囲気のある楽器を使われていたフラウト・トラヴェルソ奏者の方がいて、あとでフルートの先生に「あの楽器はどこの工房のですか?」と尋ねたところ、「トゥッツという工房ですよ。最近トゥッツさん、お亡くなりになってしまいましたね。」と2、3年前に聞きました。

「そうか、もうお亡くなりになった職人さんなんだ、残念だな。。。」
と、それっきり忘れていましたが、
Yoshio Takamuraさんが紹介されたトゥッツ氏の映像を見て、

なんて素敵な人なんだ!

と思い、これはぜひ皆さんにも見ていただきたいと思いまして紹介させていただきます。
2006年に製作されたドイツ語の映像ですが、日本語への自動翻訳機能を使うと、
ちょっとはわかります。

オーストリア共和国インスブルック出身のルドルフ・トゥッツ氏(1940ー2017年)は、歴史的な木管楽器や金管楽器の製造と修復の専門家として、国際的に大変有名な方でした。2大工房の一つと言われていました。

ルドルフ・トゥッツ氏のモットー
「楽器は草原の花のような音でなければならない」

素敵な表現ですね。

フルーティスト、オーボエ奏者、クラリネット奏者、ファゴット奏者、金管楽器奏者など、管楽器の傑出した名手のほとんどがルドルフ・トゥッツ氏の顧客でした。

この映像の中には以前に紹介したフラウト・トラヴェルソの名手であり古楽界のレジェンドのバルトルド・クイケン氏が登場します。

クイケン氏はさまざまなフルートやリコーダーの製作者とのコラボレーションをしていると以前書きましたが、まさに、その様子がこの映像で伺えます。(2006年 トゥッツ氏66歳、クイケン氏57歳)
クイケン氏が吹き、修正してを繰り返し、一緒に問題を解決していくシーンでは二人の目は真剣勝負そのものです。
「楽器(ロッテンブルグ)の設計図はまるで、楽譜のようで、ルドルフ・トゥッツ氏だけがそれを解読できる。他の誰にもできない物事を成し遂げることができる素晴らしい職人」とクイケン氏が言います。

吹き抜けの屋外でクイケン氏が試奏するシーンでは、音色を聴くトゥッツ氏の表情が印象的です。

今でも楽器の中にトゥッツ氏は生きている

私はドキュメンタリーものが好きで、特に職人さんの製作の様子を見るのが大好きです。たくさんの道具が揃えられている工房や、そこで鳴っている音、製作しているときの手の動きなどは、見ていて飽きることがありません。

このような素晴らしい職人さんの映像を見ることができて、とても幸せです。
今でも楽器の中に、トゥッツ氏は生きているのだと思います。

そして、この映像の、最も好きなシーンの一つが、彼の真っ赤な愛車に乗るシーンです。
共通のビジョンを持つ、気の合う二人の友人。

カメラワークがうまくて、まるでおしゃれなフランス映画のような26分間の素敵なドキュメンタリー映像でした。


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