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新しいバロック・フルートがやってきた2


『楽器製作者ルドルフ・トゥッツ』の映像を紹介したのは2024年5月5日のことでした。

その時は貴重な楽器製作の現場の映像を見て感動し、ぜひみなさんにも紹介したいなと思って記事を書きました。

それから二か月。


なんと、そのルドルフ・トゥッツ氏が製作したフラウト・トラヴェルソが私のところにやってきたのです。

ルドルフ・トゥッツ氏は2017年にお亡くなりになられており、新しく作っていただくことはできません。(この楽器は基本的にはオーダーメイドで工房に発注します。)そのようなわけで、彼の楽器を買い求めることはそもそも諦めておりましたが、たまたま、楽器屋さんのサイトを見ていたら、中古のトラヴェルソが売り出されていて、よく見るとルドルフ・トゥッツ氏が作ったものだったのです。

I.H.ロッテンブルグ(製作者の名前)というモデルで、ちょうどバッハの時代(1700年ごろから1750年ごろ)に使用されていた、とても欲しかったモデルのコピーです。
状態も良く、お値段も手頃だったので、こんなチャンスは二度と来ない!と、思い切って買ってしまいました。オークションに出品されると、コレクターさんたちによって最終的にはお値段が上がってしまってとても手が出せませんが、今回は楽器を手放された方、そして良心的な楽器屋さんに本当に感謝しております。

このフルートは40年前に製作されたもので、トゥッツさん44歳の頃の作品。見た目もとっても美しく、素材はヨーロッパツゲに黄色い部分は象牙です。初めて触った時はちょっと手が震えました💦フルートの先生に見ていただいたらコルクの位置は直した方がよいということでしたが、艶やかで明るい音色で音の立ち上がりも良く、演奏しやすいと言われました。そう、本当にすぐ音がぱっと出るのは気持ちがいいものです。以前お使いになっていた方が、しっかりと音の道筋を作っていただいていたからですね。それは中古の良さでもあります。

内側も鏡面のように綺麗に磨き上げられツルツルで丁寧な作りになっています。ピッチもよいです。

この2匹の猫は私のパソコン用の手作り肘枕
R.TUTZというサインが入っています!


もうこれはトゥッツさんからの特別誕生日プレゼント!!(届いた10日前が自分の誕生日だったのです)と舞い上がって小躍りしました🎶

トゥッツさんがここにいると思うと、気合が入ります。!!
本当に吹きやすい楽器なのです。吹いていて楽なので、自分が演奏したいイメージで吹くことができるようになってきました。楽器を選ぶってこういうことか、とあらためて思いました。今月の発表会はこの楽器でデビューする予定です。

次の世代にまた繋げられるように、大切に吹かせていただきたいと思います。

そして、今使っているシャルル・ビゼイは、製作していただいてから半年が経ちました。まだまだこれから育てていかなければならない楽器なので、曲目に合わせて両方うまく使い分けていきたいと思います。



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