見出し画像

バッハを聴く 来たれ聖霊、主なる神によるファンタジア BWV651

noteを始めてちょうど丸1年の記念すべき日に、
神奈川県民ホールに、オール・バッハ・プログラムの
オルガンリサイタルを聴きに行ってきました。

同ホールのオルガン・アドバイザーでもある中田恵子さんの
演奏による今回のリサイタルで使用されたオルガンは、
1975年1月の開館にあわせて、ドイツのヨハネス・クライス社により設置されたものです。日本で初めて公立ホールに設置されたパイプオルガン。

30種のストップ(音色を選択する仕組み)、パイプ数は2024本と、昨今の大型ホールのオルガンに比べれば小ぶりですが、全433席の客席によく響き渡るよう調整された、温かい雰囲気の音が、とても心地よかったです。

ライプツィヒ・コラール集より「来たれ聖霊、主なる神」によるファンタジアBWV651

バッハは晩年、若い頃に書いたコラールの作品の整理を行い、それらを改訂したうえで、自らの手で書き写しました。
ライプツィヒ・コラール集は、ライプツィヒ時代の1730年から1740年にかけて記入した作品で、18曲のコラール作品が書き込まれています。
現在はベルリン国立図書館に保管されています。

そのライプツィヒ・コラール集にあるBWV651は、聖霊降臨祭のための有名なコラールの旋律が主題として扱われています。
聖霊降臨祭とは、キリスト復活後50日目、キリストの弟子たちの上に天から聖霊がくだったことを記念する祝日。
聖霊の風が巻き起こるかのように勢いを持った手鍵盤16分音符が印象的に描かれ、上3声は模倣的に絡み合い、コラール旋律はペダル声部により、長い音価で雄大に歌われています。(以上、プログラムより抜粋)

天上に導かれるかのような冒頭の旋律。
光の向こうから現れでる聖霊、そんなイメージでしょうか。

楽譜には、「オルガン・プレノで」というバッハによる音色の指示が書かれているそうです。「オルガノ・プレノ」とは、パイプオルガンの前面に見えるプリンシパル族のパイプを使用した音色の組み合わせ(レジストレーション)で、オルガンの代表的な音色の一つです。

<プログラム>

前奏曲とフーガ イ短調 BWV543

<オルガン小曲集>より
「いざ来ませ、異邦人の救い主よ」BWV599
「天から天使の群が来たれり」BWV607
「おお神の小羊、罪もなしに」BWV618
「われらを救いたもうキリスト」BWV620
「キリストは甦りたまえり」BWV627

トッカータ、アダージョとフーガ ハ長調 BWV564

<ライプツィヒ・コラール集>より
「来たれ聖霊、主なる神」によるファンタジア BWV651

トリオ・ソナタ 第1番 変ホ長調 BWV525

<オルガン小曲集>より
「天にましますわれらの父よ」BWV636
「アダムの堕落によって全ては朽ちぬ」BWV637
「われ汝を呼ぶ、イエス・キリストよ」BWV639
「われら悩みの極みにある時も」BWV641
「人はみな死すべきさだめ」BWV643

パッサカリア ハ短調 BWV582

<プロフィール>

中田恵子(なかた・けいこ)
東京女子大学、東京藝術大学オルガン専攻卒業、同大学院修士課程修了後に渡仏、パリ地方音楽院演奏家課程を最優秀の成績で修了。アンドレ・マルシャル国際オルガンコンクール優勝。併せて現代曲解釈に秀でたとして Giuseppe Englert 賞を受賞。日本基督教団鎌倉雪ノ下教会、玉川聖学院オルガニスト。2021年4月に神奈川県民ホール オルガン・アドバイザーに就任。オルガン・コンサートの企画や監修、出演を務めている。鎌倉市在住。


ということで、昨年2023年11月16日からnoteをスタートし、1年が経過しました。
毎週1記事をアップするというルーティンを、
どうにかこうにかキープすることができ、
54週間連続投稿を達成できました。

皆さんからのスキやコメントをたくさんいただき、
本当にありがとうございました。
多くの方が、記事をとり上げてくださったり、
ご自身のマガジンに掲載してくださったおかげで、
本当に励みになり、コツコツと続けてくることができました。

クラシック音楽の初心者として、ファンとして、
皆さんの記事から、日々たくさんのことを学ばせていただいております。

これからも音楽家に関連したエピソードや、コンサート、映画、美術などの
鑑賞レポートなどを、イラストを交えてお伝えしていけたらと思っています。

ここまで応援していただき、本当にありがとうございました。
そして、引き続き、今後とも末長くよろしくお願いいたします。

いいなと思ったら応援しよう!