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自己紹介

こんにちは。ぴあのねこです。今回は私がなぜ今ドイツへいるのか、そこへ至るいきさつを少しばかり自己紹介してみようと思います。


ピアノを始めたきっかけと伴奏への憬れ

本州の果て山口県に生まれ育ち、ピアノを始めたのは5歳のとき。
通っていたカトリック系幼稚園の先生が弾いていたオルガン伴奏に憧れてピアノを始めました。
今思えば、これが私の”伴奏ピアニスト”という仕事の原点なのかもしれません。

そしてもう一つの原点。
高校生のときに偶然聴いた、声楽家・鮫島有美子さんとヘルムート・ドイチュ氏のドイツリートのCD「女の愛と生涯」。
伴奏の域を超えた「うた」と「ピアノ」のアンサンブルの美しさ。
そしてドイツ語の美しい響き。
日本語の対訳を読みながら何回リピートしたかわからないくらい聴きまくったのを今でもはっきり憶えています。
当時声楽のレッスンにも通っていたのですが、CDを聴いた次の週、先生に
「シューマンの女の愛と生涯が歌いたいです」と、声楽超初心者の私が本当に楽譜を買って持参して、先生に度肝を抜かれたのは今でも笑い話です。

とは言え、その当時伴奏・アンサンブルピアノの勉強をする、という道を示してくれる先生もおらず、ただひたすらソロ・そして受験勉強を続けていました。

18歳で単身イタリアへ

東京芸大を受験するも不合格。
険しい音楽家への道。
浪人するか、海外へ留学するかの選択を迫られました。
当時、趣味でイタリア語を習っていたのですが、その先生(イタリア人)に一年ぐらい語学留学するのもいいんじゃない?と勧められ、そのまま流されるようにイタリアへ。今思えばかなり無謀です。
最初に住んだのはアドリア海に面したリミニという街。
語学学校と並行して地元の音楽院にも入学して三年間学び、ディプロマを取得しました。
その後フィレンツェ・フィエーゾレ音楽院のピアノ科特別コースへ入学。
この学校、子供からプロを目指す学生まで約1500人の生徒が在籍しており、年齢別に学内オーケストラが14個!もあり、カルテットなどアンサンブルにもとても熱心な教育が行われている学校でした。

25歳、突然伴奏ピアニストとして働き始める

フィエーゾレ音楽院も無事卒業。さて、これからどうしようかと思っていた矢先に、学内で伴奏員募集のお話が。試験は面接と初見演奏のみ、ということで受けてみたところ、合格。早速ヴァイオリン2クラス、オーボエ、ヴィオラ、チェロ、サックスと計6クラスの担当に。
ピアノとの合わせが必要な時にしか呼ばれないので、数週間何もないこともあれば、全クラスから呼ばれて分単位でサンドイッチをつまみながらレッスン室を移動することもあり苦笑 特にサックスは我々ピアニストに全く馴染みのない作曲家だらけな上にピアノパートが激ムズ(そういう曲に限ってサックスパートは易しい笑)。
ここで約三年間働いたのですが、精神面も含めて良い経験を積めました。
ほぼ同時期にピアノを教える、という仕事を始めてみたのもこの頃からです。とにかく音楽で自立して生活したい、という気持ちが強かった。

28歳、再び学生に戻る&ドイツへ移住

伴奏ピアニストの仕事もやっと慣れて来た頃、ふと思い始めたこと。
それは、このままイタリアに残って仕事を続けるのか、それとも20代最後にもう一度学生に戻って勉強するのか。そして何処で?何を?
迷いに迷った挙句、高校生のときに聴いたドイツリートへの思いが断ち切れず、もしかしたら私がやりたいことは歌の伴奏かもしれない、と思いつき、ドイツの音楽大学大学院を受験することに決めました。
結果は見事合格。
したものの、ドイツ語もほぼわからない&歌の伴奏はほぼ未経験からのレッスンの日々。
それでも、歌手との呼吸を合わせて、歌詞の意味をディスカッションしながら一緒に音楽を創り上げるというアンサンブルの奥深さ、楽しさを学んだ二年間でした。
因みにこの経験、金管・木管楽器の伴奏をするときにも役立っています。

今思うこと

卒業後は、フリーランス音楽家として音楽学校で教えたり、コンクールやオーディションで伴奏したり、たまにイタリア語を教えたり笑。
昨年からは大学でサックスクラスの伴奏(コレペティ)を、巡り巡って再び受け持つことになったり。

教えることも伴奏することも自分の中では大切な基盤。

ピアノに限らず、音楽家がどうやって生きていくのかなんで音大では誰も教えてはくれないし、その道は自分で切りひらいていくしかない。
音楽家も、ひとつの仕事「だけ」で突き進める人はそれでいいけれど、それは限られた人のみ。
コロナ渦中、明日の演奏会も開催できるかどうかわからない状況で、音楽家も複業の時代になってきていることを、こちらヨーロッパからもひしひしと感じています。
ピアノという楽器だけでも、できる仕事の可能性はたくさんあるはず。
自分の経験が、少しでもピアニストを目指す誰かの背中を押すきっかけになればいいな。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。







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