V:Winter Ahead with PARK HYO SHIN 個人的な解釈
映像美に我慢できずに初投稿します。
ついに公開されました!テテの新曲。
ティザー公開からかなり期待していたのですが、
映像すべて余すところなく素敵でした。
今回はテテの好きなジャズ調の曲ですね。
寒い季節にぴったりのスローテンポな曲にテテの低音ボイスがすごくマッチして素敵な雰囲気です。
今回は、考察・・・とまではいきませんが、
個人的に考えたことや感じたことを書き残しておこうと思います。
まずはタイトル、”Winter Ahead"。日本語で直訳すると”冬に先立って”、”冬にむけて”といった感じでしょうか。
2023年の12月に入隊した後、ARMYは今年もテテがいない冬を迎えることになります。あと半年後には無事戻ってきてくれることを切に願っていますが、そんな冬を過ごすARMYにテテからの素敵なソンムルですね。
この後にはBingCrosbyとのコラボも発表されています。彼の広い人脈もそうですが、テテは自分が好きな人、好きな物に惜しみなく愛を注いで、その縁をつなげて作品を作り上げてくれますよね。暗いニュースも沢山ありますが、ビジネスを超えて愛で形作られた作品の数々にとても心が温かくなります。
MVについて
スロージャズの曲とテテのお顔の強さも相まって全体的に幻想的で美しい雰囲気のMVでした。結論から申し上げますと、私はこのMVの映像のテーマは「偶像に恋をした偶像」だと考えています。
(後で考えが変わればこの記事は削除します)
あるシーンの回想のような映像からタイトルを経て、MVの冒頭テテは美しい女性の像を彫っています。朝目覚めてから彫刻に向かい合う時間以外、彼は広い家の中でとても退屈そうに過ごしています。
基本的にあまり表情の動きがありません(=感情があまりない状態?)が、窓の外を眺める表情はどこか外の世界を恋しがっているようにも見えます。
そんな退屈な時間を過ごしているテテの目の前を誰かが通り過ぎます。単純な興味なのか、一目ぼれなのかはわかりませんが、ここではじめて、テテの表情が動きます。
女性の彫刻を見つめるテテ。シーンが切り替わり、隣の女性を見つめるテテ。少しはかなげというか、寂しい雰囲気をまとったテテ(前者)を、仮に現実の、「彫刻家」のテテとし、シーンが切り替わった後のテテは、「彫刻」のテテと仮定します。理由はこのあとのMVの内容で補填していきます。
テテのとなりに突然現れた、彫刻像を彷彿させるビジュアルの女性。画面コントラストも柔らかな雰囲気に変わっていますが、テテはこの女性を不思議そうに見つめて、目が合うと動揺している様子。しかしあまり表情は動いていません。
ここで、タイトルコール後にはじめて外に出ているテテのシーン。女性と一緒に楽しい時間を過ごしています。見違えるほど表情豊かで楽しそうな様子が伺えます。
眠る女性の触れようとする手(彫刻テテ)、何かに触れようとして空を切る手(彫刻家テテ)。これは、「彫刻」のテテの世界にはいる存在が、現実には存在していないことを示唆しているように解釈できます。
ティザーでも登場していたクマを持ったシーンがかわいいですね。。
ついに邸宅を飛び出して小奇麗な服装で街を歩くテテ。
興味深そうに見つめるウィンドウには、紫色のラベンダー。
紫色といえばバンタンカラー。ボラへ!相手を信じてお互いに愛するという意味で、テテが造った素敵な言葉を象徴する色です。
そしてラベンダーの花言葉ですが、「あなたを待っています」「期待」「沈黙」「清潔」「疑惑」「優美」「幸せが来る」「許し合う愛」とのこと。
兵役を無事に終えて会える日を待っている、幸せが訪れるまでの沈黙、一瞬のカットですが、そういった意味が含まれているのではないかと推察して泣いています。
補足ですが、その上を舞う蝶の色にも意味があり、赤色の場合は「ロマンス」「情熱」「気力が高まり、活気に溢れている」といった意味を持ちます。
舞台の客席に座るテテ。舞台の上で一人きりで踊るテテ。
そのあとのカットはどれもこのMVの意味を考えるうえで重要なシーンですが、一瞬で切り替わってしまうので確認するのが大変でした、、笑
まずは女性が眠っているシーン。耳の後ろには、VにもにたXのサインが刻まれています。つまり、この女性は彫刻家のテテに造られた彫刻であることがわかります。
そしてこちらも一瞬で切り替わってしまうシーンですが、作業室で彫刻に対して怒り、憎しみのような感情をぶつけているように見える彫刻家のテテ。。この彫刻は先ほどの女性ではなく、明らかに男性・・・テテの顔が形取られています。彫刻のテテの顔は、彫刻家のテテにより、その先のシーンで粉々に割られてしまっています。
こちらは無意識に目の下をなぞる彫刻のテテ。同じ位置をなぞられている彫刻のシーンがあることからも、彼が「彫刻」であるということがわかります。
そして次のシーン。ティザーで見た時に芸術点が高すぎて震えました。
彫刻を彫っている場面ですが、その女性像に口づけをするように見えるアングルで、彼がこの彫刻をとても大切に、愛おしく思っているような感情が伝わってきます。
彫刻を愛する男性、ピグマリオンをモチーフにしているのではないかという声を見かけ、調べてみました。
ピグマリオンはリシャ神話に登場するキプロス島の王の名前です。
王は自分で作った理想の女性の彫刻に恋をしてしまいます。その想いの深さを知った女神アフロディアは、像に命を吹き込み、ガラティアという名の女性を誕生させ、王ピグマリオンとガラティアは結ばれることが出来たというハッピーエンドなお話。
これは、「常に理想とすることに信念を持ち続ければ、やがてその理想が現実のものになる」という、心理学の「ピグマリオン効果」の由来になっているお話でもあります。
この神話を踏まえて、なぜ彫刻(=偶像)のテテは存在するのかということを考えてみます。
ピグマリオンは、自分の理想の女性を自分の手で作り上げました。
テテの場合は、その女性に相応しい理想の自分までを、自分の手で作り上げようとしたのではないでしょうか。
BTSの楽曲でも登場したPELSONA、つまり本来の自分とは異なる「公の場」での自分。人は誰しもがその時間、場所、あるいは一緒に過ごす人によって顔を使い分けているのであり、それはある意味PALSONA(仮面)であるという考え方です。
このアルバムの制作behind(Weveseライブ)で、ナムさんも言っていましたが、BTSのRM、つまりアイドルとしての自分はペルソナで、本来のキムナムジュンとは違う存在だと。アイドルいう職業は、キラキラ輝くステージに立つち、皆の理想のような人でなければならないという公的なイメージがとてもつよい特殊な職業です。だれでも犯すような過ち一つで、すぐに足場が崩れ落ちてしまう。ファンの好意は時に本来の彼らを抑圧させ、ファンの望む姿だけを見せるような努力しなければならないときが非常に多い。
少し極論かもしれませんが、女性の彫刻像をARMY、テテの彫刻像をBTSのVと解釈してみます。
彫刻の女性(ARMY)。彼女は一緒にいて彼の孤独を和らげてくれますが、
それは、邸宅の中という決まった場所(=メディアやイベントなど)で、彫刻(=V)であるときにのみ会える存在です。
どれほど楽しく幸せな時間でも、理想の自分でいるために、本来の自分を理想の像(かたち)に押し込めるのはとても難しい。
「彫刻家」のテテ(=キムテヒョン)は、そんな自分に限界を感じて、彼自身の彫刻像を一度壊してしまったのではないでしょうか。
(あくまでこれは作品としての解釈ですが、バーンアウトを経験しているテテを考えると、この一瞬のシーンでとても心が痛みます。。。)
場面と衣装が切り替わり、赤いジャケットを着て扉を開ける「彫刻」のテテ。扉の先には、幸せそうに人々が踊る楽園のような場所があります。その中で身を任せて、幸せそうに踊りますが、しかしろうそくの火を消してしまえば、そこには自分勝手に踊り狂う人。どことなく不気味で狂気的な雰囲気を感じさせます。その中でもテテは楽しそうに踊って見せますが、徐々にその表情は暗くなっていきました。
これをもし彼の立場に当てはめて考えるのであれば、
人々に囲まれた幸せな時間、しかし同じ人が次の瞬間には秩序なく彼を脅かすような行動をとっています。BTSVのファンや、優しくしてくれた人があるきっかけで彼のアンチになったり、好き勝手に誹謗中傷をしたりするようなことを示唆しているのかなと。考えすぎかもしれませんが。
真っ暗になった空間でテテを照らすライトを持つ男は、「彫刻家」テテです。
「彫刻」のテテ(BTSのV)は何かに気が付いたような、怯えたような顔で「彫刻家」のテテ(キムテヒョン)を見つめ、回想シーンに入ります。
鏡に映る顔が崩れています。これは現実と理想の区別がつかなくなっている、境目が曖昧になっているという意味でしょうか。
画像だと非常にわかりづらいので気になる方はMVで直接ご確認いただければと思いますが、右耳の下にXのサインが。彼が「彫刻」であるという決定的な証拠であり、このシーンで「彫刻」のテテは自分が「彫刻」つまり自分の存在が偶像にすぎないことに気が付きます。
最後です。
頭から血を流して薄く微笑む「彫刻家」キムテヒョン。
涙を流して全てを悟り受け止めたような笑みを浮かべる「彫刻」キムテヒョン。
これまでのシーンすべてを踏まえて解釈してみます。
まずは、「彫刻家」キムテヒョンについて。
なぜ血を流しているのか、これは彫刻が割れてしまったシーンが関係しているのではないかと思います。
これまで「彫刻家」キムテヒョンと、「彫刻」BTSVを区別して解釈をすすめてきましたが、キムテヒョンもBTSVも、結局は一人の「キムテヒョン」であることは変わりません。作り上げた人格で、ペルソナを持っていたとしても、それはキムテヒョンの一部というわけです。
そしてそれは、BTSVに向けられた攻撃で受けた傷は、キムテヒョンの傷でもあるという事を意味しているのかなと。
彫刻が割れてしまったにもかかわらず、「彫刻」のVは怪我一つありません。外面がいくら傷ついていないように見えても、その内側、キムテヒョンという人間は傷ついている。けれどそれをすべて受け止めて、BTSVを優しくみつめているのです。
「彫刻」のVについて。
その傷を見て、その微笑みを見て、そしてすべての寂しかった瞬間と、楽しかった時間を思い出しながら、Vは涙を流して微笑みます。ここで大事なことは、「キムテヒョン」「BTS V」双方が互いにお互いを認め合って受け入れていることだと思います。
BTS Vは偶像としての人格かもしれませんが、それでもいいのだと、それも自分なのだとその傷ごとすべて受け止められている。この表情、俳優キムテヒョンとしてのポテンシャルの高さが垣間見えますね。
個人的には最後のシーンに女性と歩いたシーン(ARMYとの思い出)が出てきて胸がいっぱいです。彼にとってARMYと過ごした時間が楽しいと思い続けられるものであればうれしいなと思います。
つらつらと考えたことを書き連ねていたら歌詞のことについて触れる余裕がありませんでしたが、歌詞も機会があればよくよく考えたいな。
少し読んだ感じだと、兵役中の季節を超えて待っていてくれたら幸せが待っているよというようなニュアンスな気がしますが。
本格的な冬を迎える前に会いに来てくれてありがとう。
この場でこんなことを言っても伝えたい人には伝わらないと思うけど、
このMVの解釈を通して言いたいことは、
BTSVだからと、有名人税だからと平気で傷つけるようなことを簡単に言わないで。その言葉で彼自身が傷ついているかもしれない。
人である限り人を傷つけてしまうことはあると思いますが、
テテやメンバーの皆が今もBTSであり続けたいと思ってくれている奇跡に感謝しながらオタク活動を続けていきます・・・。