見出し画像

母です。子がドイツの音大に留学中 その1 ドイツって(加筆しました)

🌷2023年9月に書いたものに
円安ですね… を加筆しました。(2024年5月) 


海外に全く縁のない家庭です。まさか留学するなんて。

子ども(子芋)が色々決めた後に自分でも調べたりしたことを親目線も交えて呟いています。
色々な経験をしているようなので本人が書けば面白いのにと思いますが、そういうことは思いつきそうもないですし何より日々の学業で忙しそうです。

もっと長く勉強している方、在住している方などの詳しく説明しているブログもあるので、気になるキーワードを入れて検索すると詳しく出てくるかと思います。

ここでは視野に入れている方、ざっくり知りたい方に届くといいです。

※子芋は日本の大学の器楽科卒業後に留学しています。


ドイツ、国立大学は音大を含めて学費無料 でも…


ドイツは学費無料と声高に発信するものを多く見るようになりました。でも、ドイツ国内の全ての国立(州立)大学が学費無料ではありません
EU外の留学生から学期ごとに1500€ほど学費を取る州もあり(バーデンヴュルテンベルク州・2023年現在)、無料の州でも音大が独自に学費を徴収するところもありです。知らなかったヨ。
また、学費の有無に関わらず、学期ごとに納める経費もあります。これにより、電車やバスなどがわりと広範囲(詳細は州によるらしい)に無料になるので学生にはありがたい制度です。

諸々払っても日本の私立音大の授業料よりはお安い。
ただ、学費は時々変わるようなので、気になる音大は必ず個別に確認すべし。

経費の大半は生活費
偉そうに書いていますが、子芋が入試に臨むくらいまで、母は大学によりかかる費用が違うなんて知りませんでした。
そして地域によっても…

5,6年ほど前、旧東ドイツに留学されている方が、「月5万くらいで生活できています」とおっしゃっていましたが、子芋のところは家賃が比較的高い地域らしく、ここまで円が安くなる前でもその額では無理。
南の大都市・ミュンヘンではもっとかかるよう。
先に知っていたとしても、この先生につきたいからと選んだ大学、経費が嵩むからそこはやめて、なんて言えませんよね…💦

🌼その他に、どこにいてもかかる楽器のメンテや消耗品代、楽譜代でしょうか。日本にいた頃は、比較的ラクに行ける場所に利用している楽器店がいくつかあったのですが、渡航後、先生のお勧めのお店はとっても遠くて行くとなると一日がかりのよう。これは想定外でした。

月に934€?

その2閉鎖講座の項目にも書きしたが、留学にあたり、この934€×滞在月数の預金証明が必要です(2023年時)。
国として月にならすとこれだけあればというところでしょうか。
家賃(高熱費やWi-Fi等含め)に500~600€かかるのか、その半分で済むかの差は大きいと思うのですけれど。

✐日本に比べて学費が安い国は他にもありそうです。
好きな音楽、好きな作曲家、好きな先生の国をまず調べてみてもいいかも

残高証明・参考 https://doitsu-ryugaku.jp/bank/fintiba/

留学は学部から? 院から?

日本と同じように学部4年、院(修士)2年、その先にコンチェルトイグザメンや博士課程という体系でわかりやすいです。
子芋の周囲では修士課程(大学院)から留学する方が多いです。
学部からとなると、高校生の時には視野に入れて語学の準備も始めることもあるでしょうから意識が高いですよね。早くから音大進学のつもり、そして留学を視野に入れている方ならアリでしょうか。スゴイなぁと思います。

✐子芋の大学では院の入試は専攻楽器の実技のみ。学部のほうは楽典やソルフェのようなものもあるよう。もちろん日本語ではありません。

どちらにしてもドイツ語の検定を取っておく必要があります
音大入試の時点で、B1~B2レベルのドイツ語力を求めている大学が多いです。個々の大学によって違うようです。
まず渡航して語学学校(入学すれば滞在許可証は申請できるそう)に行く方もいますが、準備期間があるのならば日本にいるうちに取っておくと少し安心。渡航すればすぐに諸々の手続きをしなければなりませんし、語学学校に通う分の数ヶ月のドイツでの生活費も節約になりますし。
(ゲーテインスティトゥート・検定)https://www.goethe.de/ins/jp/ja/spr/prf.html

母が感じる院からのメリット
〇欧州で仕事をするならば関係ないですが、留学終了後に戻ってきた時、大学時代に培った音楽関係の友人知人がいるのは心強い気がします。
音高だった場合もその時の友人もいますし、留学先の友人が帰国している場合もあるでしょうが、大学ではもっと広がった気がします。

〇学部時代にやりたい方向性が固まってくる。

〇大学によっては留学する方が多く情報が入りやすい。よく知っている先輩から具体的なローカル情報を聞ける可能性大。

〇そして高校卒業時よりも経験値が上がっているので、母はちょっと安心😅

🌼子芋も学部時代に、漠然と演奏家になりたいというのではなく具体的にこれをやりたいのだとハッキリしてきたので、その目的を第1に考えることができたよう。
日本からの友人には、ヨーロッパのオケの団員を目指して留学の方も。
目的がハッキリしているので自ずと何を優先してすべきかは決まってくるのでしょうね。

日本で院を出てしまった場合の注意点

✐日本で大学院を卒業した後にもっと勉強をと留学する方もいます。
ここで注意が必要なのは、すでに持っている修士の学位と同じ専攻の修士はNGということ。
修士の学位を取った後にさらに演奏のウデを上げたい場合、コンチェルトイグザメンという過程があります。また、ピアノで日本の院を修了した後に室内楽専攻のピアノなど他の専攻ならば二つ目の修士課程として勉強することができます。

✐もう一つ、学部での勉強と関連のない修士課程にも行けません
教育音楽を卒業→演奏の専攻 は注意が必要かもしれません。修士過程を受けられるのか学部からになるのかはよく調べたほうがいいです。

向いてる? 向いてない?

見知らぬ土地、しかも言葉が思うように通じないところで暮らして行くのは大変なこと。巷ではアジア人差別も無きにしも非ずです。
緯度が高いので冬は暗い時間が長いし、夏は夜の10時くらいまで明るいそう。これが意外にキツく感じることも。
そしてイタリアと違ってお料理は…💦

そういう訳で何でも美味しく食べられるほうがいいかも。
たいていアジアンショップで日本の食材も手に入るらしいですが、きっと割高…。
物怖じせずに誰とでも話せるとか。
また、嫌なことがあってもこんなものかとクヨクヨせずにスルーできれば精神衛生上いいかも。

子芋は、他人への依存度が高い方は大変なのではと申していました。
ドイツ人は空気を読まないらしいので、言わなくてもわかるということは少ないかも。
音大には色々な国の方が集まっているのでドイツ人ばかりではありませんが。

🌼母のイメージとは違ったドイツ

ドイツ人は何でもキッチリしていてアバウトではなく、日本と大差なく暮らせるものだとイメージしていました。
しかし! まずはドイツのDB(鉄道)。遅延が日常らしい。謎なのですが目的地まで行かなくなることすらあるらしいし、大きな駅でどこのホームからの発車かはその時になってみないとわからない。
ひどい時には列車の掲示の行き先が違っていて、ドイツ人すら右往左往して駅員さんに尋ねるも、駅員さんによって言っていることが違うということもあったそう。
もうカオスですね。長距離移動の時には時間に余裕を持たなければ。

そして、日本から何か送った時は無事に届くかどうかドキドキ。
不在だとどこかのお宅に預けられてしまうこともあるのだそう。
ある時は、荷物の追跡でお届け済みになったのに本人は受け取っていないという。結局、税関で止められていたのだけれど、届けていないのにお届け済みってしないで欲しいよ…。 

お役所仕事ものんびりです。
子芋の滞在許可証(いわゆる学生ビザ)更新の、あまりにも長い期間かかった話を聞いた後に自分の用で市役所に行ったのですが、予約なし(予約制度がないし)ですぐに受け付けてくれるうえ親切な対応で、日本のお役所は素晴らしいと思わずカンゲキしてしまいました。


円安ですね…

入学前の出費を嵩ませたくない

子が学位取得のために留学を決意したとき、その費用を親が援助するしないは別にしてもやっぱり費用は気になるところ。子芋が渡独した頃は1€120円くらいで計算していましたが、今は160円超え(2024年5月)。

そしてすでに留学3年目も終盤(二つ目の修士課程で勉強中)の子芋の話でだんだんわかってきましたが、すぐに正規の学生になれない方もいるようなのです。その場合、受験準備でレッスンを有料で受けられる制度を利用したり現地の私立に行って準備をしたりする方も。

一発で入学してもらいたい。
これが一番の経費節約。そのためには日本で出来るだけの準備を。

当り前なのですが、必要なこと
1、演奏スキル
2、ドイツ語力(+英語)
3、希望の先生とのコミュニケーション

1,演奏スキル
言わずもがな。お目当ての先生のフォアシュピール(「その2」やこの下でも書いています)で、自分が師事したいと思うかどうかが大事なことですが、そこはお互い様で相手からもこの学生を教えたいと思ってもらえることが大事。最優先の弟子候補と考えてもらえるくらいなら安心かも。

2,ドイツ語力(+英語)
最初のほうにも書きましたが、入試の時点でゲーテのドイツ語検定でB1~B2レベルを求める音大が多そうです。取りたい学生ならば入試に直接関係しないこともあるけれど、やはり言葉の理解が深くなければ深い内容は学べません。
そして何より誰とでも意志の疎通が容易にできたほうが絶対楽しい!

とりあえず渡独して現地の語学学校で学んで取る方もいるけれど、その期間の経費削減をするならば日本にいるうちにラジオやテレビの講座、YouTube、なるべく安いオンラインレッスンなどを利用してできるだけ勉強しておくといいのでは。

🌼子芋は大学の授業の他に「Vollmond」のオンラインレッスン利用で日本にいる間に入試に必要な検定を取りました。プライベートコースには学割も有り。https://vollmond.online/  
※受けた時に在籍していた日本の大学に検定代の補助制度があり利用しました。検定代もそこそこするので調べてみるとよいかも。


語学は、勉強のみならず友人関係、師弟関係、演奏の仕事などを円滑に楽しくするためのツールです。できるにこしたことはない。
学外で色々な国籍の方たちとのアンサンブルなどの勉強をする場合、共通言語は英語の可能性もありなので英語も話せれば積極的になれるのではないでしょうか。

3、希望の先生とのコミュニケーション
目指す先生を指名して受験するのが普通なので、フォアシュピールといってとにかく一度レッスンを受けてみて先生と生徒がお互いに相性を見たり感触を確かめるのが一般的です。他の門下生がどんな感じかまでわかればなお良しです。フォアシュピールには多くの先生が応じてくださるのではと思います。連絡先は大学のサイトに有り。
この先生につきたいとなっても一人の先生が正式に持てる学生数は決まっているので入学する年に生徒の枠がなければ入れません。ただレッスンを受けるだけではなく空きがでる予定かは必ず確認、そして自分はこうなりたいのだというところまで伝えられれば良いのではと。そのためにも語学…(しつこい😅)


給付奨学金を考える

日本のものの他にドイツのものもあります。
応募に際しての文章を書くにあたり、自分でも留学の意義や目的を改めて考え言葉にするのでより有意義な留学になるのでは。そういう意味でもお勧めです。
渡航前に申し込むものの他、大学入学後に大学で選考するタイプの奨学金や〇〇賞という形でお金が出るものもあるようです。€で支給ならばレート変動の影響を受けません。

※DAAD(ドイツ学術交流会)の修士の学位取得のための1ヶ月あたりの奨学金額は、滞在許可のために必要な1ヶ月の必要額と同じです(その他渡航費、医療保険、場合により家賃補助有り)。

🌼アルバイト
渡航してしまえば現地でのアルバイトは現地価格ですからレートは関係ナシ。
教会の行事での演奏や地元のプロオケメンバーの代奏等々演奏する仕事があるそう。紹介くださる方、呼んでくださる方有りで誠実さや人間関係の大切さを感じます。

いいなと思ったら応援しよう!