【感動の感想】サカナクションSAKANAQUARIUM アダプト TOUR supported by サンテFX
こんにちは。
旅では行きの新幹線に乗ってから帰りの新幹線を降りるまでアルコールを摂取している者です。
サカナクションとして1年10ヶ月ぶりのライブツアーがスタートしています。
幸運なことに名古屋公演の初日を観に行けて、また仙台公演も2日間行ってくることができたので、感動したよーという感想を書きます。
音がすごい
と言いつつ正直、名古屋1日目はちょっと音のバランスが微妙だったような。
ツアー再開1発目の本当に初っ端だったので、お客さんが入ってみて音がどうなるかは予測しづらい部分もあったのかもと思います。
全体の音量はデカいんだけど、響きがぶつかって広がっちゃっているような印象を受けました。
ただこの日は一郎さんがアンコールで泣いてしまって歌えないという、涙なしには見られないハプニングがあったので、音どころではありませんでした。
次に観た仙台では相当クオリティが上がっていたと思います。
よく幕張メッセとかのデカい会場やフェスで起こる、音が遅れて聞こえる現象が無かったです。ギターとかドラムの音ばかりがガシャガシャ鳴っててボーカルがあんまり聞こえない、みたいなことも無かったです。
ヘッドホンで聴いている音がそのまま会場で鳴っていてその音の中に入り込んでいる、というか文字通り音に包まれている感じです。
一郎さんの言う「タイト」な感じでそれぞれの楽器の音がビッシビシに伝わってきました。
実際、同じ時期に別のバンドのライブを観ましたが、音のクオリティだけで見たら雲泥の差でした。
演出がすごい
基本的にはオンラインライブの内容がそのままリアルにトレースされるのかなと予測してましたが、全然違いました。
「この感じはやっぱりリアルライブならではの感動だよね!」という場面もあれば、逆に「この演出はオンラインじゃないとできないわ」と唸る場面もありました。できることならオンラインとリアルの両方を体験することをお勧めします。
オンラインライブについてはこちらに書いています。(ネタバレがあります)
魚民がすごい
名古屋公演の1日目、アンコールの一番最後の曲。
出だしは普通に歌いだしたものの、途中から一郎さんは顔を覆い、泣いてしまったのです。
滅多に音程を外すことのない「口からCD音源」としても有名な一郎さん。
そんな彼が曲の途中で声を詰まらせ、ボーカル無しでバンドだけが演奏する時間が数十秒くらい続きました。
その間ずっと、会場にいたお客さんみんなが手拍子をしました。
一郎さんの代わりに歌うかのように。
誰も実際に声を出して歌ってはいないし、お客さん同士の顔も見えなかったけど、あの時、全員の心がひとつになっていたと本当に思います。
「一郎さんがんばって!」
「私たちが代わりに歌います!」
「今日はありがとう!」
本当に、そんな風に聞こえました。
私も、隣にいた友人も、もちろん同じ思いで号泣。笑
この2年ほどの間、一郎さんもチームサカナクションもきっと、言葉では言い尽くせないほど色々なことを考えて、感じて、しんどい思いをしてきたのだと思います。
苦しい状況はすぐには良くならないとしても、リアルでのライブを何とか開催できて少しだけ前進した、音楽の可能性をまた信じることができた、そんな時間だったように思います。
一郎さんもこの日を振り返って「あの時はみんなの歌が聞こえた気がした」と言っていました。
魚民(サカナクションのファン)はマナーがいい、と言われます。
名古屋でも仙台でも、会場にいたお客さんは私が見た限りみんなちゃんと感染予防対策をしていたし、マナーを守って「静かに自由に踊って」いました。
ファンはアーティストを映す鏡だとか言いますが、「魚民はみんないいファンだね」と、これからも言われ続けたいものです。
ここまで書いおいてなんですが、名古屋の初日に関してはこの布施さんという方の記事を読んでほしいです。私の言いたいことも全部書いてありました。
参天製薬がすごい
この状況の世の中で、音楽という文化に対して支援をしてくれる企業って本当にありがたいし、素晴らしいです。
多くの人が仕事を失ったり収入が減ってしまったりする中、会社としても存続の危機に瀕していたり、例年よりも売上や利益が落ち込んでしまっているところが多くあります。
そんな中で参天製薬さんは、(その行動が今すぐ直接の利益に繋がるとは限らないにも関わらず)畑の全く違うサカナクションを応援してくれているのです。
チャレンジし続けるチームサカナクションに共感して、力を合わせてくれる人や企業がもっとたくさん集まればいいなと思います。
サンテFX、もちろん買いましたよ。
「おすすめ」です。
心配なこと
サカナクションが倒産してしまわないか。
何年も前から心配です。
ビジネスでもなんでも、新しい試みをする時というのはそれまでの蓄積や知見がないことが多いので、必然的にコストもかさむことが多くなります。
チームサカナクションは常に新しい試みにチャレンジし続けている集団です。
メジャーデビュー10周年の時のツアー「SAKANAQUARIUM 2017 10th ANNIVERSARY Arena Session 6.1ch Sound Around」も赤字でした。
一郎さんもしょっちゅう「チケットがソールドアウトでも赤字でやばい」みたいなことを言ってます。
今回はどうだったでしょう…参天製薬さんがサポートしてくれているしそこまでヤバくないはずですが、ライブのセットや演出の豪華さを見て、やはり心配になりました。
そう思って調べてたら、以前に全く同じことを書いていた人がいたので記事を貼っておきます。
まとめ
リアルで観られるライブはもちろん素晴らしかったですが、「ライブはやっぱリアル一択だわ」という感想ではなかったです。
リアルにもオンラインにもそれぞれの良さがたくさんあって、どちらも良かった。そんな風に感じさせてもらえたことに感動しました。
ということを一郎さんが言っていますが、その意味が分かった気がしました。
おそらくサカナクションは今後もこういう形でライブ体験を提供してくれる気がします。今回観ることが難しい方でも、これからきっとまた色々やってくれると思いますので楽しみに待ちましょう。
チケットやグッズの値段は他と比べて高いですが、必ずそれに見合ったものを得られます。
倒産されたら困るので、私も少ない稼ぎの一部をサカナクションに課金、いや投資しています。
サカナクションはもはやバンドではなく、クラウドファンディングだと思っているからです。
なんか妙な「推し活」ですが、これからも続けていきたいと思います。