#39 マック・デマルコ『Five Easy Hot Dogs』
マック・デマルコ『Five Easy Hot Dogs』
今回は、初めてインストゥルメンタル・アルバムを紹介したい。考えごとをする時や、ものを書く時に、言葉が入ってくると集中できず、インストを聴くことがけっこう多いもので。
と言っても、マック・デマルコは、インストゥルメンタリストではなくシンガー・ソングライターなのだけど。出身はカナダ。ローファイなサウンドと力の抜けた歌メロが、特にここ数年の自分の気分とマッチしていて、とぼけたような名前の響き(スミマセン!)や、隣のあんちゃんみたいなキャラにもハマってしまった。要は、ゆるいのだ。映えることがすべてで、時間が惜しいからTVドラマなどを早送りで観るティーンも多いという、この隙間のない窮屈な時代に、ゆるいのだ。たとえば、こんな感じ(↓)。
4年ぶりとなる今回のインスト新作は、昨年、旅をしながらレコーディングしたのだとか。アメリカのグアララやポートランド、シカゴ、カナダのヴィクトリアやヴァンクーヴァーなど、楽曲タイトルにも都市名が並んでいて、自身が訪れた地であることは想像に難くない。ゆるい。アルバム・タイトルがまた、ゆるい。
もう何度リピートして聴いているか、わからないぐらいなのだけど、サイケがかった、ふんわりしたポップ・サウンドが、とにかく心地よすぎてたまらない。ホッとする。肩の力が抜ける。生きていてもいいんだと思える。疲れているのか、俺。ともあれ、あえて今作収録曲のMVは貼り付けないので、アルバム1枚通してお試しいただけると、これ幸い。トータル30分ちょっとだし。
ロード・ムーヴィーならぬ、ロード・ミュージック。これはアルコールにもピッタリだ。フジロック@苗場で、雨ではなくきれいに晴れた昼日中に、酔っ払って体感したら最高だろうなあ。また来てね。
鈴木宏和
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