#43 ボーイジーニアス『ザ・レコード』
ボーイジーニアス『ザ・レコード』
前回のパラモアで「つながった!」と書いたボーイジーニアス(ジュリアン・ベイカー、フィービー・ブリジャーズ、ルーシー・ダッカスによるプロジェクト)が、タイミング良くニュー・アルバムをリリースした。まずはとにかく、アルバム・タイトルが最高。そして、前作EPにも増して、バンドのケミストリーが最高だ。
何か取り立てて特別なことをやっているわけでもないのに、聴いていて深く心に沁みてくるのは、曲と歌とコーラス・ワークが美しく、サウンドがナチュラルで、体温が伝わってくるような感覚を味わえるからだろう。歌詞の意味がほとんどわからないままで聴いても、感情や心象風景といったものが浮かび上がってくるし。いや、曲も歌もコーラス・ワークも美しいことが普通になっていること自体、普通のバンドじゃないってことか。
僕は、MVでアーティストの印象が変わることが、あまりない。いや、あるかな。まあどっちでもいいとして、自分たちで撮影したというこのリード曲(?)のMVが、また最高だ。彼女たちをさらに好きになってしまった。異性間の友情否定派ではあるけど(聞いちゃいないですね)、こういう友達がいたら楽しいだろうなあ。
このバンド、実は歌詞の評価も高い。入手して、ぜひチェックしたいと思う。3人それぞれの個性もしっかり反映されているので、1曲ずつ、誰が詞と曲を書いたのかを考えながら聴き進めるのもおもしろそうだ。
鈴木宏和