#28 アヴリル・ラヴィーン『ラヴ・サックス』
アヴリル・ラヴィーン
『ラヴ・サックス・ジャパン・ツアー・エディション』
元々は今春のリリースだったため、見送っていた1枚。来日記念盤が出たので、ぜひ取り上げたい。僕は横浜公演に行ったのだけど、想像をはるかに超える盛り上がりだった。暗黙の了解なのか、会場が一体となったシング・アロング(マスク着用)と、アーティストが客席にマイクを向けるという景色も久々に見ることができて、ちょっと感慨深いものがあった。
それにしても、胸が空くとはこのことだ。死をも意識した難病を克服したアヴリルは、前作『ヘッド・アバーヴ・ウォーター』で、美しくも力強いソウルフルな歌声とともに帰ってきた。そこには、ぐっと大人になった彼女の姿があった。だから今作で、こんなにもロックに振り切れてくるとは、まったく予想できていなかった。しかも、王道も王道のポップ・パンクが全編で炸裂している。気持ちがいいほど見事に、してやられた。そして、一周して立ちたかった地平がここだったのだなと、納得。
からの、↓↓↓というわけです。
オリジナル・パンクとかネオ・パンクとか、ポップ・パンクとかダンス・パンクとか、はたまたポスト・パンクとか、そんな面倒なことは抜きにして、とにかく“パンク”を感じたいロック・ファンに声を大にして「オススメ」と言いたいアルバムだ。
しかもこの来日記念盤は2枚組で、DISC-2はキャリアを網羅して代表曲をまとめた、最新ベスト盤と呼ぶべき内容。過去作をあまりチェックしていないような新しい世代のファンは、絶対にこっちを聴くべし。
鈴木宏和