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#3エラ・メイ『ハート・オン・マイ・スリーブ』


鈴木さんへ
 私もマイケル・ナイマンの『ピアノ・レッスン』、大好きです。
レオナ・ルイスもいいですよね。この曲も彼女が歌詞を書いていますが、
こういう曲を聴くと、ソングライティングにこだわらず、シンガーとし
てアルバムを作って欲しいなと思ってしまいます。
 それからリアム・ギャラガーですが、アルバム冒頭の子供たちの合唱
に私も驚きました。そして、①『More Power』のMother~♪、Father~♪
と歌う歌にせつなさを。兄ノエルに捧げていると、何かで読みました。
 これまでオアシスやリアムのソロに感じられた”怒りのパワー”がちょっ
と苦手だったので、鈴木さんのオススメがなかったら先入観から避けた
1枚だったと思いますが、1曲ごとに「いい曲だなぁ」と噛みしめながら
聴くことが出来ました。全曲の歌詞をチェックしようと思います。

エラ・メイ『ハート・オン・マイ・スリーブ』

 さて、今週紹介するのはUK出身のR&Bシンガー、エラ・メイの
2ndアルバム『ハート・オン・マイ・スリーブ』。初めてこの新作を聴
いた時、彼女のヴォーカルに聴き惚れた。まず高音の透明感、さらにナ
チュラルな倍音成分多めの声が美しく、華やかさも併せ持っている。
そして、聴くうちにしなやかなんだけれど、凛とした強さが伝わってき
て、清々しさがジワジワと広がっていく。こういう声に出会うと、本当
にうれしくなる。
 そんなエラ・メイは、1994年生まれの27歳。前作から4年、悩むことで
大人の女性として成長するこの時期に恋愛などの経験を基に曲を書いたと
言う。時間をかけて80曲書いたなかから15曲を収録。現在は主にアメリカ
で活動しているが、プロデューサーのひとりは、彼女を見出したUKのDJ
マスタードだ。語りが挟みこまれたり、雑談の音から始まる曲『A Mess』
ではラッキー・デイがフィーチャーされたり、教会の日曜礼拝でゴスペル
を聴いているような『Fallen Angel』など、ひとつひとつの曲から物語が
感じられる。そして、そこから生み出される多彩感。
 しかも言葉の乱射やビートの連打がなく、音の洪水に溺れる感覚が苦し
くなるようなアメリカのヒップホップやR&Bとは異なる、余白があるサウ
ンドもこの作品が好きなところだ。
                            服部のり子

<追記>
宣伝っぽくなってしまいますが、私が構成を担当しているラジオ番組
『My Jam』で、今週水曜日22日の放送でエラ・メイをフィーチャーし
ます。出演者の竹内美樹がシンガー目線で彼女の魅力を語っています
ので、よかったら聞いてください。
『My Jam』毎週水曜日放送
FM大阪 19:00~19:30  INTER FM 21:00~21:30




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