#41 パラモア『ディス・イズ・ホワイ』
パラモア『ディス・イズ・ホワイ』
以前、「女の人は強い」というような話を、ライターの先輩のHさん(もちろん服部のり子さんね)にしたら、「弱い女って見たことある?」と笑って一刀両断されたことがある。度重なるメンバー・チェンジを経て活動を再開したパラモアが、5年ぶりにリリースしたこの新作を聴きながら、そんなことを思い出していた。
正直、これまでは初期のバンド編成のパラモアが好きだった。でも今作で、ヘイリー・ウィリアムスさえいればパラモアになるんだなと実感。エモやポップ・パンクのイメージが強かったが、今作ではより自由に奔放にロック/ポップを鳴らしていて、清々しささえ感じる。とりわけ、フランス語タイトルの「C’est Comme Ça」は、スカ風のリズムとキャッチーなメロディに乗せて繰り返される、タイトル・フレーズの響きが最高。一発でやられてしまった。
この曲はライヴでも盛り上がりそうだなと思ったら、すでにライヴ・ヴァージョンもけっこうアップされているので、興味がある方は、ぜひ。ちなみに“C’est Comme Ça”とは、しょうがないという意味なのだとか。
そしてやっぱり、ヘイリーの歌だ。僕は初期の♪パラッパッパラッパッパーラ♪(「Brick By Boring Brick」)の歌いっぷりで、この人は絶対好き、完全に好きと確信したのだが、優しさ、繊細さと強さ、激しさを兼ね備え、スクリームまでキメてみせるヴォーカルは絶品だ。そして、つい最近知ったのが、ヘイリーがボーイジーニアスの熱烈なファンだということ。つながった!
鈴木宏和