#18 オジー・オズボーン『ペイシェント・ナンバー9』
オジー・オズボーン『ペイシェント・ナンバー9』
自分で↑の写真を選んでおいて言うのもなんだけど、ここは笑ってほしいところなので、変な先入観は持たないでいただきたい。ついでに言えば、アルバム冒頭に飛び出す不気味な笑い声や泣き声も、どうか一笑に付してくださいませ。
前作『オーディナリー・マン』で、奇跡の復活を遂げたオジー・オズボーン。今回の新作がまた最高なので、取り上げないわけにはいかない。いやこれは、クラシック・ロックでもハード・ロックでもグランジ/オルタナでもヘヴィ・ロックでも、とにかくロックが好きな人間の心に突き刺さらないわけがない。
だって、ジェフ・ベックが、エリック・クラプトンが、それぞれの持ち味が全開のギターをたっぷりと聴かせてくれるのだから。まさか、クラプトンのむせび泣きギターを、オジーの曲で聴けるとは!
トニー・アイオミが参加しているのも、ブラック・サバスのファンにはたまらないだろうし、前作に引き続きガンズ&ローゼズのダフ・マッケイガンがベースを弾いているのも嬉しい。さらに、ドラムは前作に続いてのレッチリのチャド・スミスに加えて、先ごろ天に召されたフー・ファイターズのテイラー・ホーキンスという、感涙ものの布陣。まだまだいて書き切れないので、個人的な好みで名前を挙げさせてもらった。
そして何より、楽曲がことごとく素晴らしいのだ。だからこそ、オジーはこれだけのメンツに声をかけたのだろうし、ゲスト陣のプレイもひときわ光っているのだと思う。
古いのか? 今の音ではないのか? 僕は評論家ではないし、そんなことはどうでもいい。オジーさん、ありがとう。まだまだ長生きしてね。
鈴木宏和