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#50キアナ・レデ『Grudges』

鈴木さんへ
 1日遅れのアップとなりました。さて、酷暑のパンチで心まで疲弊するなかで、ランシドは、気持ちいいです。タイトルだって「明日は絶対に来ない」だもの。くよくよしたり、うじうじ考えたりするの、止めようって思ってしまいます。曲もサクサク進んで、各曲の短さ。これも時代の傾向なんでしょうかね。ジャズを聴いていると、7分、8分の演奏なんてざらにあるので、隔世の感があります。
 どうでもいい話ですが、ついつい”ラシンド”と言ってしまいます。こういう脳に間違って刷り込まれちゃった情報が結構あって、それでミスすることも多く、いまトホホが続いています。あ~~~(嘆きですね)。

キアナ・レデ『Grudges』

  キアナ・レデの甘くアンニュイな声が大好き。1曲目のアコギのイントロから始まり、もう私の好みというのが第一印象。でも、タイトルは”恨み”だし、何度もF**kという言葉が出てくる。キアナは、何を訴えたいの? そんな興味から過去を遡ってみると、才能に恵まれて、14歳か、15歳という若き日にオーディションでチャンスをつかむかれど、出会いに恵まれず、不遇の時代が続いた。そこから高く評価された前作『Kiki』までが長かった。
 その時間が内省的な彼女を育ててしまったのか。でも、歌詞にすることで、傷を深めながらも、自分を解放させる。そんなタイプのシンガー・ソングライターなのだろう。元気!パワフル!私は勝つ!といった女性ラッパーたちの威勢のいい楽曲に世代のギャップを感じずにはいられないので、キアナ・レデとか、『Jealous』という曲で共演しているエラ・メイの歌声を聴くと、自然に心が傾いていく。好きだなぁ、という素直な気持ちで聴き続けられるのがうれしい。
                             服部のり子


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