歌がうまい人は「聴くこと」を大切にしている
歌のレッスンでは、講師は当然のように、「どうやったらうまく歌えるか」について、ポイントを解説し、その技術を伝授していくことになります。でも、その過程で、講師が見ている景色と、生徒から見えている景色は異なる、ということを想像したことがあるでしょうか。
うまく歌えないのは、技術が無いから?
歌がうまくなるとは、「技術を身につけていくことだ」と多くの人が思っています。もちろん、そうなんです。でも、歌は音として奏でられるものですから、目で見ることができず、「耳で聴いて認識する」ということになります。
講師が歌の見本を示したとして、果たして生徒は、その違いを聴き分けられているのか?それを直接確認する術はありません。
生徒が見本を再現できないとしたら、歌唱技術以前に、そもそも、精度良く聴き分けられていないのかも?そんな視点を持つ必要があります。
違いがわかるから、近づいていける
歌の練習をする。反復練習をする。もちろん大切なことです。けれど、見本とするものと、自身の現状との違いが、仮に「聴き分けられていない」としたら、どこに向かって練習をしているのか。そんな疑問が湧いてきます。
正しい方向に進んでいるかどうか、自分では判定ができないから、レッスンのたびに講師が判定する。仮にゴーサインが出ても、自分で「できた」という実感が無いとしたら、その過程は楽しいものなのか。そして、講師のいない場で披露する際に、自信を持って歌うことができるのか。
違いがわかると、上達が加速する
細かく音が聴こえるようになると、そこにどれだけの技術が詰まっているのかが実感できるようになっていきます。まずは、細部まで聴こうとすること。それが大事です。
興味を持って丁寧に聴き続けることにより、「自身の現状」と「到達すべき場所」との距離が正確にわかるようになる。だからこそ、練習に身が入るというわけです。歌がうまい人は、「これでもか」というくらいに音楽を聴いている。それは、ほぼ間違いないと思います。
「神は細部に宿る」と言いますが、歌手が、他者との違いを出すために、どれだけの苦労をしているのか。歌手の凄さがわかってくると、歌を聴くのがもっと楽しくなっていきます!
さて、11月8日にNHK-BSで、伝説のコンサート「中森明菜 スペシャル・ライブ1989 リマスター版」が再放送されるようですね!(※12月29日に、再び放送されるそうです!(12/26追記))
初回放送は2年前だったのですが、
上記のような企画を立て、みんなで自宅鑑賞をしました。その際の原稿を以下に再掲します。ぜひ、ご活用ください!