
boundary
Lyrics
私にできることといえば 歌を歌うことくらい 隔たりもなく
私にできることといえば 歌を歌うことくらい
立ち止まらず
今 許されるなら 山際(山端)の光 輪郭もほどくほど 照らして
今 許されるなら 水際の揺らぎ 渡る舟 滲むほど 遠くへ
私にできることといえば 笑いかけることくらい たむけた花
私にできることといえば 笑いかけることくらい
立ち止まれば
今 抱きしめるなら 確かな重み 輪郭をなぞっては 優しく
今 抗えるなら 豊かな温もり 手放して覚めるほど 遠くへ
歩き出せたら あなたを見つける その線を消していく
歩み寄るから 手を取り その道 踏み外していく
今 許されるなら 山際の光 輪郭もほどくほど 照らして
今 許されるなら 水際の揺らぎ 渡る舟 滲ませて boundary
私にできることといえば 歌を歌うことくらい もう戻らない
私にできることといえば 笑いかけることくらい
たむけた花
ライナーノーツ by yumi
「私にできることといえば 歌を歌うことくらい」
ふとこのフレーズが降りてきた時、boundaryのストーリーが始まった気がしました。
一人の世界に閉じこもっている時間が長くなった時に書いた曲です。
「私にできることといえば 笑いかけることくらい」
ネガティブな表現かもしれませんが、その奥に見える少しの希望を描きたかったんです。
曲名でもあるboundary(境界線)は3年ほど前から強く意識していた言葉で、その頃から曲を書くとその言葉に引っ張られて、導かれて後の言葉たちが綴られていきました。
「境界線」というよりは「境界線のない世界」を探していたような気がします。
隔たりのないその世界を、立ち止まっては、また歩み出して、時に踏み外して、生きていたい、と思うのです。
ジャケットになっている林 雅子さんの「みぎわ」からもたくさんのインスピレーションを受けました。
この絵を見てから目を閉じると、曖昧な境界線で隔たれているよう(に見えているだけかもしれない)な風景がいくつも浮かび上がって、また辿り着くのが「みぎわ」の風景でした。
この絵があったからこそ、書けた曲です。
ミュージックビデオは写真家の沼田学さんにお願いしました。
日常または非日常な景色が、何気なかったり、美しかったり、可愛かったり、切なかったり、エモかったり…と6分ほどの映像に胸を掴まれる瞬間がたくさん詰まっています。
ぜひ、聴いて、観てください。