私は35歳(の若さ)です。ドイツ式の歳の言い方。

よく、女性には年齢を聞くなとは言うもので、これはおそらく、世界共通のマナーである。特に、日本では年齢を同性間で聞くのは普通なので、プライベートで付き合いのない人の年齢も知っていることが多い。

しかし、ドイツでは、おそらく欧米では、年齢を聞くことは少ない。英語圏では生年月日を履歴書にすら入れないという習慣もある。ドイツでも、会社の同僚でも、誰がいくつか知らない人も多い。むしろ、直接本人ではなく、他の人に「あの〇〇さんはいくつだっけ?」と聞くと、たまに、なぜそれを聞く?というような反応をされることもある。もちろん、質問の矛先が同性の場合もそうだ。

そんな、ドイツでは、おそらく、多くの欧米諸国では、自分の年齢を言うときに、"I'm 35 years old."というように、oldをつけないといけない。ドイツ語でも、"Ich bin 35 Jahre alt."というように、私は、35歳「歳をとっています」。と言わなければならない。もちろん、20歳では、「歳をとっています」とはならないのだが、日本語にはない表現のため、年齢によって、「歳をとっています」と意訳することになる。

ドイツでは、このaltという表現を嫌い、"Ich bin 35 Jahre jung."という表現をたまにする人がいる。これは、訳すると、「私は35歳という若さです。」となる。しかし、前提条件として、この、バリエーションを言うのは必ず、歳を取っている人になる。歳をとっているというのも、曖昧なので、そのグループ内で、自分の年齢はどこに位置するかによって、歳をとっているかいないかは、変わってくる。

例えば、35歳の人が20代が大幅に占めるグループにいると、35歳という年齢は高齢であるし、50歳以上しかいないグループでは、若い。年齢というのは、誰にとっても絶対的なのだが、特定の集団内では相対的である。なので、よく、若い人は老人には親切にしなさい、とか、若い人は老人を尊敬しなさいとか言う。もし、老人しかいない世界なら、この言葉は存在しない。

なので、この35歳という若さですという表現は、必然的に、周りが自分より若い人が多いので、自分は歳をとっていない事をアピール、または、周りが自分より高齢なので、まだ、その歳です、という場合に使われることが多い。

後者ならまだいいのだが、前者だと、かなり老けて聞こえる。若い人が大多数を占める集団で自己紹介をするときに、この表現を使う人がいるのだが、正直、滑っている事が多い。ドイツでは、滑るという感覚はほぼ皆無なので、いいのだろうが、私はイタいなーと勝手に思う。

私も今年で、34歳。。。昔、とある知り合いに二十代前半はすぐ終わるといわれたことがあるのですが、その通りで三十代前半はその倍、早かった。今後はこう言おう。「34歳も若いです。」と。

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