British Bake Offで学ぶ英語表現Season 1③ full of spirit, overproofed
ブリティッシュベイクオフは、イギリスBBCの番組で、
毎週テーマに従って参加者たちがパンやお菓子を作り、
お菓子作りのプロ、メアリー・ベリーMary Berryさんと、
パン作りのプロ、ポール・ハリウッドPaul Hollywoodさんが審査し、
勝ち進んでいくベイキングコンテスト番組です。
このnoteでは、番組の中で作られた課題などを紹介しながら
参加者や審査員の言葉の中から英語表現をピックアップし、
ご紹介していきます。
(注: 写真はできるかぎりBBCの公式レシピから載せています)
(注2: 著者はベイキングは全然できません、
番組で言っていたことをそのまま載せています)
https://www.bbc.co.uk/food/programmes/b013pqnm/recipes
今週のテーマ:Bread
課題①: Signature bread
最初の課題は毎回参加者が自由に自分のオリジナルレシピを披露します。
今週のテーマはパン!
パンウィークはポールさんの領域ということもあり、
お菓子作りの週とは少し違って緊張感が感じられます。
なんせポールさんは厳しいですから、
参加者の皆さんはドキドキするでしょうね。。。
パン作りは小麦粉や酵母、塩、油脂、水分を混ぜ合わせて
練って生地を作り、
一次発酵の後再度こねて成形、
二次発酵の後に焼成して作り上げます。
酵母は生き物ですし、小麦粉もさまざま。
その日の気温や湿度によって発酵具合や焼き上がりが変わります。
練習していってもうまくできるとは限らない、
本当に大変な戦いだと思いますね。。。
審査では生地の質がやはり大きなポイントになっていました。
ふんわりときめがそろっていて、ふっくらしていることが大事で、
指で押したときに戻ってこないものは発酵不足だそうです。
このラウンドでは比較的シンプルなパンが高評価でした。
RuthのMaple and Pecan Breadや
EddのOlive Breadが生地のきめや皮のパリパリ感などを
評価されていました。
英語表現①: proof
これは「発酵する」という意味です。
一般に辞書で「発酵する」と調べると、
出てくるのはfermentという単語ですが、
ベイクオフでは一度も聞いたことがないですね、
パンやお菓子の記事を発酵させるときはいつもproofが
使われています。
(本当は聞いていると、proveって言っていると思いますが、
辞書ではproofが動詞として使われる場合に
「発酵する」の意味があるように書かれていますので、
ここではproofを採用します)
proofというのは普通はproveという動詞の名詞形として使われます。
普通の意味は「証明するもの」「証拠」という意味です。
または「water-proof」のように、
「~に対して耐性があるもの」という意味の形容詞としても
よく使われますね。
ですがベイクオフにおいては「発酵する」という意味の
動詞として使われています。
proofの動詞としての意味合いの中に
to activate (yeast) by mixing with water and sometimes sugar or milk
というものがありました。(Merriam-Websterのウェブ辞書より)
なんだか「証拠」とか「耐性」なんていう意味とは
ずいぶんかけ離れた意味だと思うのですが、
なぜ発酵することをproofと言うのか、
なぞが深まります。。。
他の表現としてはriseも「発酵する、膨らむ」という意味で
たびたび使われています。
バリエーションとして、well risenなんていうのは
「よく膨らんでいる」という意味で使われていました。
英語表現②: overproofed, underproofed
overproofed=過発酵
underproofed=発酵不足
前述のproofから派生している言葉です。
発酵って難しそうですね~
発酵不足はよくないのはわかりますが、
過発酵もダメなんですね。
発酵不足だと目が詰まって、ゴムゴムした食感になり、
重いパンとなってしまいます。
過発酵だと生地の中の気泡が大きくなりすぎ、
穴が大きくなりすぎてパンの形が崩れてしまいます。
適切な発酵具合の見極め、難しそうです。。。
課題②: Technical challenge: Round Cob Loaf
二つ目の課題はテクニカルチャレンジと呼ばれ、
審査員からレシピの指定があり、参加者は全員同じものを作ります。
全員に同じ材料が用意されますが、
レシピは完全ではなく、例えば発酵させる時間とか、
オーブンの温度などの情報がところどころ抜けているため、
参加者は自分の知識や経験、スキルで乗り切ることが求められます。
今回のお題はCob loafです。
cobとはA cob is a round loaf of bread. [British]
(Collins Dictionary)
とあるように、とにかく丸いパンならばなんでもCobというようです。
今回はもちろん、ポールさんのレシピです。
パン作りのプロならではの、シンプルなパンにこそ、
パン作りの技術の真髄が垣間見える、
ということでしょうか。
英語表現③: full of spirit, determined
第1週も2週も脱落のギリギリのところで勝ち残ってきた
Davidですが、
パン作りは得意とのことで自信に満ちた発言をしていました。
そんなDavidを見て審査員のメアリーさんから
He is full of spirit.
というコメントがありました。
これは「気迫にあふれている、覇気がある」といった意味合いになります。
やる気があって目がキラキラしているようなかんじでしょうか。
そしてこうも言っていました。
He's determined.
これは「決意を固めている、覚悟をしている」といった意味になります。
勝負に臨んで気合に満ちていているかんじを表すのに
どちらも使える表現ですね。
課題③: Showstopper: Sweet and savory rolls
最後の課題はロールパン。
savoryというのは「甘くない」ということです。
甘いものを3種類、甘くないものを3種類、
というのが今回の課題です。
甘いパンは砂糖などの糖分を生地に多く入れることになりますが、
砂糖が多すぎると酵母の働きを阻害して
生地が膨らまなくなってしまいます。
そして香辛料や塩味を効かせる生地も、
酵母の働きを阻害する場合があります。
本当に難しそう!
Eddが全体にパンの技術では抜群に褒められていました。
MirandaのLemon iced bunsが個人的には食べたかったです。
英語表現④: I'm beginning to realize
さてこの最後のチャレンジにおいて、
なんと6種類もの生地を作ることにしたDavid。
めちゃくちゃやることが多くて忙しい!という場面で
こんなコメントがありました。
I'm beginning to realize I work quite well when a lot is going on.
「忙しい方が僕はうまくいくってことを分かり始めている」
といった意味合いです。
I'm beginning to realizeで「~と分かり始めている」というふうに
現在進行形で表現することができるんですね。
英語表現⑤: kick into gear
英語表現④のコメントの続きの部分で、
Davidはこんな風に言っています。
I think once I kind of get in the zone, my brain kicks into gear.
「いったんゾーンに入ると脳が活性化するんだ」
これも面白い言い方ですね。
まず「ゾーンに入る」という言い方、日本語でもしますね。
そして「ギアが入る」も比喩的に日本語でも言いますが、
kick into gearとkickを使うのがおもしろいですね。
シーズン1の第3週目で、6人の参加者のうち1人が脱落し、
残る5人で第4週目に進みます。
次回はプディングウィークです!