2章第11話 猛獣から逃げるときは前を向いて後退しよう
「ム、ムッシュ…ここってコワイところッポルか!?」
「いや…実は私も初めて訪れるのだが、こんな威圧感のある場所とはどこにも記されていなかったはずであるが…」
謎きのこから発せられるあまりの威圧感に泣きそうになるポルチーノくん。ジュニアと共に思わずムッシュの影に隠れてしまいますが、当のムッシュも困り顔。
あくまで知識上とはいえ、ムッシュの知るジャンクショップは、賑やかで楽しげで様々なカードに心が躍る、そんな場所のはずなのに――。
しかし、そんな一同の動揺を知ってか知らずか、謎きのこは大気を震わせながら(!?)少しずつ振り返り……
ガタガタ……ブルブル……ドキドキ……
恐怖が最高潮の三人は、胞子も飛び散らんがばかりに震えました。
「ムッシュ!やっぱりここはこわいところッポルよ!!早く逃げないと大変な事になるッポル!!!」
「わ……私は全然大丈夫だが……しかし諸君らがそう言うのなら仕方がない……!一旦出直すことにしようかね?(震え声)」
そう言って、そろりそろりとバックギアで後退しはじめる一同。そうだねクマと遭遇した時も前を向いたまま下がるからね。猛獣対策の基本だね。
存在感を消しながらショップの入口まで下がった瞬間、謎きのこはくるりとその姿を3人にむけました。
すると――。
命の危険を感じるほどの威圧感とは打って変わって、くりっとしたお目々がキュートな顔が現れたのでした。
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