真夜中のお客さま
カチ、、、カチャ。カチ、、、パチッ。
真っ暗な台所からいつも鳴らない音がする。
あ、怪談の類じゃないのでご安心を。
どう考えてもそっち系のnoteじゃない。
写真のコガネムシが夜中に家に来たよ〜ってだけの話です。
写真とタイトルからすでにネタバレしてるやつ。
音からしてハエよりは大きい虫が迷い込んでいることは想像できた。
しかし、私が居る明るい部屋ではなく暗い台所に迷い込んでしまったのは解せない。
なんでなんやろ?
閉め忘れた窓もないし虫が好みそうな食べ物もないし、、とかとか考えていたら、
ブーーーンッ、、という甲虫特有の羽ばたきの音が暗がりに響く。
一気にテンションが上がる。姿は捉えられない。どこだどこだーー!お前は誰やーー!!
そのうちに明るいこちら側に飛んできたそれは、一番背が高い本棚の上にぶつかるようにして飛び込んだ。
視界に入った一瞬からすると、過去に訪問経験のあるゴキブリでもカミキリムシでもなく、おそらくコガネムシ。ドウガネブイブイ系と見た。(ブイブイって名前可愛いよね。ブンブン飛ぶからなんやって)
椅子に乗って本棚の上を覗き込むが、姿がない。どうやら、本棚の裏側に落ちてしまったらしい。容易に取れんやつ。
やれやれそのうち出てくるかなと思いながら、ラランドのYouTubeを観ていた。
すると、ブーーーン。また飛び立ってくれた。今度こそ捕まえなくては。
メスの寿命は平均25.8 日、オスの寿命は16.1 日。彼(彼女?)の短い一生を本棚の裏でほこりまみれになって終えて欲しくはない。
しばらくブンブンと羽音を響かせて部屋の上部を飛びながらも、コツンと捕獲できる場所に落ちてきてくれた。
無事、捕獲。
同定するまでもなく、多分アオドウガネ。
ああ、可愛い。可愛い顔。
眼が大きくてちょっと離れ気味。
ぬいぐるみや赤ちゃんに見られる特有の愛されバランス。
コガネムシ類の顔の可愛さには特筆すべきものがある。愛らしいことこの上ない。
サンリオさんがコガネムシのキャラクターを作らないのが不思議でなりません、、
成虫と共に幼虫も食欲旺盛なので、人間からは害虫扱いされている。
成虫はサクラとかあらゆる広葉樹の葉を食べて、幼虫は土の中で植物の根や腐葉土を食べる。花壇を掘り返すと出てくる小太りの白い幼虫のほとんどはアオドウガネだと思う。
飼育下では果物を好むらしい。家には果物ないんや、、、桃とかあげたかった。
脚の折れとかもないし、元気そうで何より。
しばし硬くてツルツルしたボディとトゲトゲの脚を愛でて(話しかけます、だいぶ)
外に放す。マンション廊下の灯りの中を彷徨っていて心配になったけれど、ちゃんと暗がりの自然の方に飛んで行ってくれた。
来てくれてありがとうの気持ちで見送る。
コガネムシは幸運を呼ぶ昆虫らしいので、
遊んでもらったことに加えて尚更に良い気分。
どこから入ってきたことだけが、気にかかるけれど。