ぐずぐずもやもやがちがち勇気りんりん日記
正月休みに浸る間もなくあっという間に三が日が過ぎ、昨年の疲れが取れないまま2023年が始まって二週間が経過したが、いまだに正月気分が抜けておらず、ブレーキとアクセルを同時に踏んでいるかのような中途半端な状態が続いている。
いまひとつ調子もでない。いつも以上に頭が冴えない感じもする。起きるのがつらい。布団から出るのがつらい。シャワーを浴びるのがつらい。体を拭くのもつらい。つまり諸悪の根源は寒さにあるのではないか。25日の最低気温はマイナス11度だという予報も出ている。『シャイニング』のジャック・ニコルソンのような状態になってしまうことはもはや避けられまい。
毎日利用している渋谷駅の山手線ホームが変わってしまった。これまで外回りと内回りで別個になっていたホームがひとつになったのだ。以前より広くなったというが、いまひとつ実感できない。ホームの拡張にともなって改札へと続く階段の場所も変わってしまったから、電車を降りた瞬間、どちらに進んだら良いのかわからない。適当に進んでみると、いつもと違う改札に出てしまい、遠回りする羽目になった。
同じ時間に同じ車両に乗り込み、同じホームに降り立って同じ階段を上り、同じ改札を通って同じ場所へ向かうという一連の行動を何百回と繰り返していたから、移動に際してもはや頭を使う必要はなかった。意識を体に運んでもらっているような状態が長らく続いていたわけだ。ゾンビのように習慣に従ってさえいれば頭を眠らせたまま目的地まで移動することだって不可能ではなかった。
しかしこうした自動操縦モードはホームの改良工事によって停止を余儀なくされてしまった。見慣れた風景が一変してしまったからにはもうゾンビモードではいられない。人間モードに切り替えて多少は脳みそを使う必要がある。できれば脳みそなんぞ使わずに暮らしたかったのになんということだ。
駅の改良工事がもたらすストレスは、不本意にも早起きさせられた結果、生活リズムが崩れたときのそれに比肩する。それが不合理であると知りながらも、しばしば惰性を優先してしまうのは、習慣を破ることがこのうえない負担に感じられるからだろう。平坦な日々に飽き飽きしつつも、腹の底では一生ゾンビモードで過ごしたいと考えているのが人間という存在なのだ。
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