見出し画像

【8/8-12広島戦○○○阪神戦●●】 離島ではないビーチで、見えないものを思う

夏休みで、ベトナムはダナンに行ってきた。ビーチ沿いのレジデンスに三泊、これを書いている時は最初に泊まったレジデンスから移動して、THEリゾートホテルで2泊、猿に囲まれて過ごしていた。朝5時半、南シナ海から少しずつ太陽が昇り、聞こえるのは鳥と猿たちと海の音だけ。「断崖絶壁」という言葉がぴったりな場所に立つこの宿は、「バリのウブドからヌサドゥアの海が見える」みたいな、森と海が一体化したホテルだ。

ダナンは比較的最近人気が出てきたリゾートのようで、でもボホールよりはおそらく長く人気があるのか、そもそもベトナムで第三の都市ということもあるからなのか、すごく活気がある。街が近くて、海はきれいで、山も近い、そして街並みの美しいホイアンまでもすぐいけるという、なるほどこんな場所があったのか、と、いちいち新鮮に驚いてしまう場所である。いうならば、福岡に美しい海があって緑深い森があって車で30分ほどで京都に着いて森の中の静かなリゾートもある、みたいな感じである。

リゾートはこなれていて、そこの人はみなとても親切だ。グラブの運転手さんたちの営業は積極的だけれど、えてしてみんな、ぼったくろうとはあまりしない。でも、ひとたびここを離れてハノイへ行くとそこはもう、ほかの東南アジアの都市と同じく、法外な料金をふっかけてくるタクシー運転手に囲まれることになる。ああ、アジア。これぞアジア。

さて前回のランカウイの旅はがっつり仕事も持っていき、20%くらいは仕事モードだったけれど、今回のベトナムは一応私の中で「夏休み」と位置付けていた。フリーランスなので、自分で休み!と、決めないことには休めないのである。それでももちろん、向こうで仕事が発生したりするのは、まあサラリーマンだって同じだ。結局のところ、自分の仕事のスタイルというのは働き方によってそんなに大きく変わるものではない。(でも変わることもある、もちろん。例えば今はとにかく時間と場所を選ばず仕事ができるようになって、それは私がなにより大切にしたいことである。)

そんなわけでヤクルトの試合もおやすみ…するわけは全くなく、仕事がない分、それはそれは毎日がっつりと(速報で)見ていた。おかげで子供たちまで一球速報の独特の言い回しにすっかりはまってしまった。「村上(間を嫌う)」。

とにかく負け続けた宮古と違い、今回はそれを晴らすかのように、前半は勝ち続けた。広島戦の2回戦の日、私たちはベトナム中部の「フエ」という、世界文化遺産のある街にでかけていた。ここは滞在しているダナンから車で2時間半ほどかかる場所にあり、私がこの旅のために購入した格安SIMでは、電波が全くつながらなかった。ソフトバンクの夫のスマホで3回裏に7点が入っているのを見た私が「なにこれ!?」とGrabのタクシーで叫ぶと、「北村?が、満塁ホームランって書いてるよ。」と、夫が言う。「北村くん!?!?!」と、それまで遺跡を歩き回った疲れでうとうとしていた息子が背を起こして叫ぶ。

ここから先は

1,743字

¥ 100

期間限定!Amazon Payで支払うと抽選で
Amazonギフトカード5,000円分が当たる

この記事が参加している募集

ありがとうございます…! いただいたサポートは、ヤクルトスワローズへのお布施になります! いつも読んでいただき、ありがとうございます!