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【5/23阪神戦●】行け山田、新たな時代を。
いやまあそれはそうと、「山田哲人のホームラン」というのは格別である。
数年前、そこに詰まっていたのは若き希望のようなものだった。「野手最年少」のてっぱちが、一人でコツコツホームランを量産しているのを私は見ていた。
でもいつのまにか、あっというまに、てっぱちは「ベテラン」の風格みたいなものを備えていった。そして、自らキャプテンを志願し、チームを優勝へ導いた。(そう、その前にはFAで悩みに悩み、ヤクルトに残ることを決めてくれたのだ。)
そして今日、神宮球場での通算150本目となるホームランを打った。
150本のうち、30本くらいは見た気がするね、と、息子が言う。そういえばこの人は絶賛テスト中なはずなのだが、一緒に野球とか見ていて良いのだろうか。まあいいか。さすがに、中学生相手にテスト勉強のスケジューリングをとやかく指示することもできない。いや、中学受験ですら私はなにもしてあげられなかったのだから、中間テストでとやかく言うことなどもちろんできぬ・・・
と、いうわけで、明日のテストに向けて特に焦っているでもなさそうな息子とともに、テレビの前でてっぱちのホームランを見届けた。
息子が言う通り、神宮でてっぱちが打った150本のうち、30本くらいは、いや、もしかするともっとたくさんのホームランを、私は子どもたちと見たかもしれない。チームがどれだけ負けても、「でもてっぱちのホームラン見られたしね」と、私は何度も何度も子どもたちとなぐさめあって、球場をあとにした。
「若き希望」が詰まっていたホームランは、いつのまにか、「チームを引っ張るもの」へと変わっていった。「1」という数字を背負った背中は、いつのまにか、若き日々よりもずっと重いものを抱えるようになった。それでもてっぱちは決して多くを語らず、ただそのバット1本で、チームを引っ張り続けた。
150本。その重みについて考える。ほんとうに、ほんとうに、どれだけその1本1本が、誰かを励ましただろう。例えば連敗中のこんな日だって、その1本は、キラリと光り、胸に響くのだ。
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