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梅雨にも晴れ間はのぞき、そして必ず明けるから【6/13楽天戦○】

梅雨入りして数日が過ぎると、今度はすっかり雨が降らない日が続いたりする。梅雨に入ったことを忘れてしまう。雨って降るんだっけな、という気にすらなってくる。そしてヤクルトは、今日は勝つ。(なんと。)

「2点先制しても絶対追いつかれる気がする」し、「逆転されてしまうと二度と点は取れない」と思わされる昨今のヤクルトである。雄平の久々の2ランに小さくガッツポーズしながらも、どうしても安心できず、案の定3点を取られた時にはああ試合終了だ世界の終わりだ…と、思っていた。逆転するところなんて、ここ何年も見ていないのだ。

でも今日のヤクルトたちはいつもと少し違った。もらったチャンスをしっかり生かした。そしてなんと(なんと)二死満塁からタイムリーを打ち、逆転した。久々の、8回である。梅雨は明けたんだっけな。

そして打線はお得意の(かつてお得意であった)9回に、何かを思い出したようにみんなして打ちまくった。たぶん、こーたろーが何かを思い起こさせた。何と言ってもこーたろーの打った後のフォームはエイオキに似ている。似てますよね。

かくして、「8回から途中出場のこーたろーが猛打賞」というよく分からない形でヤクルトは久々に快勝した。

もはや「やれるならもっと早く打って!」なんて言わない。なんなら早いうちにとった5点くらいはあっという間にひっくり返されることを知ったので、最後にやれるなら最後にやっていただければいい。胃の痛みも呼吸の乱れもすべて受け入れよう。そう、もう勝てるならなんだっていい。

こうして私は今日も、ヤクルトというチームを全面的に受け入れるのである。連敗も、逆転負けも、いつかのサヨナラも、すべてなかったことになっている。

だけどこういう試合でももちろん、もどかしさを抱えるであろう人がいる。序盤、何かを取り返すかのように良いピッチングを見せていたライアンは、5回途中に粘れず3失点で降板した。たいしは、なかなか1本のヒットが出ない。

快勝で喜ぶチームの裏には、いろんな思いを抱える人がきっといる。悔しさも、もどかしさもきっとそこにはある。

でもプロ野球ニュースで谷繁さんは「いやね、僕もクライマックスシリーズと日本シリーズで、40何打数だかノーヒットだったんですよ」とあっけらかんと言っていた。解説陣のおじさんたちは、みんなわははと笑っていた。

その波の底の底にいるときは、もがいているときは、まずそんな風に思えないけれど、そこから抜け出したとき、そして全部が終わったときにはきっと、笑いながらそのときのことを話せるようになる。だってチームも、96敗も、ノーノーも、そうやって乗り越えてきたのだ。まあちょっと、16連敗はまだ傷が癒えないけれど。でもそのうち、たぶん同じように乗り越えていける。たぶん。

その試合で、誰も彼もが全員活躍できるわけじゃない。光も影も、いろんな色がそこにはある。でもまた今日影に隠れた人たちが、お立ち台に上がれますように、と、私はそっと祈る。不名誉な記録なんて、あっという間に人の記憶から消えていくのだから。そしていつかたいしやライアンが「あの時は本当きつかったです」と笑って言えるといいなと思う。

梅雨はいつか、明けるのだから。





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